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「ピパピパ」

<かわりもの>シリーズ 八匹目

かいのどうぶつえん 園長です。
ちょっとかわった姿形や、奇妙な行動や不思議な食性など、とても愉快な生態の生き物たちを貝で制作しました。子供向けの説明もご用意しました

今回は、姿も名前も育児方法も、とても風変わりなカエル「ピパピパ」(Surinam toad)です。

南米のアマゾン川流域などに分布し、めったに陸にあがらず、一生を川や沼ですごします。体長は約15cmほど。平べったい体で川底にひそみ、前足のながい指で小魚や水生昆虫などを捕食します。舌はありません。

ピパピパという愉快な名前は、学名(Pipa pipa)に由来しています。和名でコモリガエルと呼ばれるように、受精卵はメスの背中に埋め込まれ、皮膚のなかで孵化し、オタマジャクシに成長。

時が満ちると、赤ちゃんカエルたちが、背中の穴から元気よく飛びだして泳ぎはじめます。長いこと気にかかるテーマでしたが、ぴったりな貝などあるはずもなく、制作は無理でした。

一方、5年前に採集した奇妙な形状の二枚貝が、収納棚で眠っていました。

手のひらサイズで、ぶ厚く重量感があり、イシマテという貝に掘られた穴がびっしりと並んでいます。奇妙な貝の名は、イワガキかチリボタンか?
一種異様な表情で、使い道なしの存在でした。

ところがある日、新作の台に使えないかと棚で手に取り眺めていて、「これだ!」と気づき、副園長も即座にガッテンしました。

まさに合縁奇縁あいえんきえん

奇妙なカエルと異相の貝が合体し、新メンバーのピパピパが誕生しました。

おめでとう!よかったね

☆イシマテ:酸を分泌して岩や貝殻などを穿孔せんこうし、その穴で一生をすごす貝。食用。

☆こどもむけ せつめい☆

わたしは あまぞんの かわに
すんでいる 「ぴぱぴぱ」という かえるの
おかあさんです。

せなかの あなで あかちゃん(おたまじゃくし)を
そだてます。 めずらしいでしょ。

あかちゃんが そだつと ちいさな かえるになって
あなから とびだして げんきに およぎます。

にほんの なまえは
「こもりがえる」です。

せなかに あかちゃんを 
おんぶ しているように みえるからですね。

顔もかわってるでしょ
背中の穴でオタマジャクシを育てるの
泥水のイメージです
春の川の雰囲気です

貝は「割らない」「塗らない」「削らない」ルールで制作。

          <貝の配役>
 : アサリ  四肢:ミガキミノムシ 
 :イワガキ 水掻:ツタノハガイ
前指:ヒメキリガイダマシ
子蛙:カヤノミカニモリガイ+ヒメカノコ+ヒメキリガイダマシ
 :ヒメカノコ   :マドガイ


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