「出 立」
『鳥獣戯画』・「丙巻」 第一幕
かいのどうぶつえん 園長です。
京都の高山寺に伝わる『鳥獣戯画』の「丙巻」を、貝でつくりました。カエルやサルなど、全部で83頭の貝の動物たちが国宝絵巻のドラマを演じます。
☆
今回は、鳥獣戯画「丙巻」より、“動物戯画”の第一幕、園長名付けて「出立」です。
まだ、夜の闇がそこかしこに残る払暁に、勇んで出発する動物たち・・・。
頭領のサルがまたがるシカの蹄を、従者のカエルが入念に点検しています。
別のカエルが担ぐ大袋の中身は食料なのでしょうか。
「いくぞ!」とばかりに前方を見つめるサルとキツネ・・・。
絵巻物を眺めているうちに、鎌倉時代に最初の場面を描いた、名も知らぬ作者の弾む心と共鳴し、貝でつくろうという意欲と遊び心が高まってきました。
国宝の『鳥獣戯画絵巻』は4巻構成で、甲巻・乙巻は平安時代に、丙巻・丁巻は鎌倉時代に描かれました。『丙巻』のサイズは、縦30.9cm 全長933.3cmです。
2003年の開園時より、貝たちとは「割らない」「塗らない」「削らない」と固く約束して制作しています。園長
<貝の配役>
カエル:アサリ/ヒメカノコ/ハツユキダカラ/フトコロガイ/ムシボタル他
キツネ:メンネルイモ/フジノハナガイ/フトコロガイ/スガイ/ミノムシガイ他ウサギ:カイコガイ/サクラガイ/スガイ/ハナムシロ/ムシボタル/ヒメカノコシカ:チャイロキヌタ/ホシキヌタ/スガイ/ヒメキリガイダマシ/フトコロガイサル:アマオブネガイ/スズメガイ/スガイ/ハナマルユキ/タモトガイ/ムシボタル
烏帽子:アワビ 杖 :ムラサキウニ 手綱:ガンガゼ 下駄:フジノハナガイ他 大地:ホタテガイ