『貝 殻』
<新美南吉>シリーズ 第二巻
かいのどうぶつえん 園長です。
今なお、大切に読み継がれる児童文学作家、新美南吉(1913〜1943)の童話シリーズです。
第2回目は、新美南吉の詩、『貝 殻』です。
かなしきときは 貝殻鳴らそ。 二つ合わせて息吹きをこめて。
静かに鳴らそ、貝がらを。
誰もその音を きかずとも、 風にかなしく消ゆるとも、
せめてじぶんを あたためん。 静かに鳴らそ貝殻を。
19歳で『赤い鳥』に『ごん狐』が掲載され、北原白秋や、兄弟子の巽聖歌たちに才能を認められ、将来を期待された南吉。しかし、21歳の若さで、当時は不治の病とされた結核をわずらいました。(1934年・昭和9)
死の予感に怯えながらも詩を書くことで、南吉は凍えそうな自分の心をあたためたのでしょう。
ふるさとの愛知県半田市では、毎年、命日の3月22日を「貝殻忌」と定め、多彩なイベントを開催しています。
「新美南吉記念館」のオフィシャルサイトでは「貝殻笛」のつくり方を動画で紹介しています。
さて、サル君は大きな音で鳴らしたいと、大ぶりなハマグリで笛を制作しました。よくばったけど、やさしい音色をだせるかな?
貝と園長の固い約束「割らない。塗らない。削らない」
『貝 殻』〜使った貝殻〜
サル君:アマオブネガイ/スズメガイ/フジノハナガイ/スガイ/
ハツユキダカラ /タモトガイ/ヒメキリガイダマシ/ヒメカノコほか
貝殻笛:ヌリツヤハマグリ 岩:ハマグリ 海:マドガイ
<補 註>
☆「貝殻笛」のつくり方・吹き方
検索:「新美南吉記念館」サイト→「おうちミュージアム」→「貝殻笛をつくろう」(動画)
①ハマグリなど二枚貝の殻頂(お尻部分)を、コンクリートブロックなどでこする。
②5〜10分で穴があく。水洗いして汚れを落とす。
③口を当て、息ではなく「ヴーッ」と声を吹き込む。
④あせらないで、繰り返し練習する。