離農で思い出したこと
酪農家に限らずですが、年々農家戸数は減少しています。
酪農家戸数のピークは1963年の41.8万戸だそうですが、現在は1万5000戸を割っているそうです。
DJニュース » 酪農家戸数は1万4400戸、乳牛頭数は135.2万頭 畜産統計 (dairyjapan.com)
経営が行き詰っての廃業というよりは、高齢を理由に離農する方が多いです。鹿児島県でも離農は進んでおり、今年だけでも2戸の農家さんがやめています。
離農するときなんですが、牛達はどうするのか。農家さんにもよりますが、農協を通して競売が行われることが多いです。離農する農家さんの牧場で行われ、入札形式で1頭1頭値段を決め他の農家さんが買っていきます。牛達は違う牧場での生活になるわけです。
何年か前の話ですが、僕の牧場のある市町村でも離農による競売がありました。地域の牧場ということもあり、競売の準備を手伝ったりします。夫婦2人で営んでいた牧場でしたが、特に奥さんは牛をかわいがっている牧場でした。牛の頭数も少なく、後継者もいないということで、やはり、高齢を理由の離農ということでした。
離農当日、競売により値段も決まり牛達を輸送用のトラックに載せているときに奥さんは泣いていました。本当に牛達に愛情かけていたんだと思い、今でも覚えている光景です。
僕の牧場でも何頭か買いましたが、長い間活躍してくれました。
酪農家1戸で飼われている牛達の数は、牧場の大規模化で年々増加しています。1人で管理する牛達の数が増えているわけですが、それでも牛1頭1頭への愛情は希薄にならないようにしたいです。命を飼っているという責任、忘れないようにしたいですね。
近年は世界情勢による原料や資材の高騰により酪農家も厳しい経営を迫られています。離農をする農家さんも多くなると思います。今日は離農でふと思い出したことを書いてみました。
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