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「夏酒」は個性的にみえて案外そうでもない話

夏の手前ですが夏酒真っ盛りの6月末。

皆さんの日本酒ライフは充実してますでしょうか。

自分はこの1週間で夏酒は大体20種類くらい飲み比べられました。
その他にも色々と飲んだので全体の数は倍以上にはなりますが、夏酒のサンプルの数としてはまだ少ないですね。
まだまだ飲めてないお酒が多いですが、現時点で気になった事があります。

今日のテーマはそんな「夏酒」について。


とりあえず思った事

「夏酒の味わい、どれもめっちゃ似通ってないです?」

氷を入れて飲むように設計しているものなど、一部は比較的濃醇な味わいになっているものもありますが
多くの夏酒は普段のものより味わい全体を軽くし爽やかな酸を出してドライな印象に。暑い季節でも爽やかな味わいで飲みやすいだろうと設計されているように思います。

爽やかな酸味や味わいのものは確かに夏に飲むお酒としていいかもしれません。これまでがそうだったように。
しかし味わいを軽快にしていくデメリットとして、味の要素が少なくなる分他との差別化が難しくなっていくことがあります。
実際、飲んだ夏酒の中でも、ほとんど同じような味わいのお酒は何本もありました。飲んだ上でブラインドで当ててみろって言われたら当てられる自身はあまり無いくらいです。

1つの蔵元さんの商品としては確かに個性的だとは思います。

ただ、同じ棚に並ぶ他の蔵元さんの商品も同じ解釈や方向性で造られていた場合、それは「個性」たりえるでしょうか。

横に並ぶ競合商品が同じような味わいだったとき、飲む側はどうやって選べばいいんでしょうか。
たとえ美味しいとしても、その1本を選ぶ理由はどこにあるのでしょう。

誰かが作った「夏っぽい味」に、右へ倣えしている

そう思ってしまうのは自分だけでしょうか?

なぜ「夏っぽい味」で勝負しているのでしょう。

夏といえばビールやハイボールは不動の人気。最近ではレモンサワーも急速にそのシェアを伸ばしています。これらの飲み物を参考にするようにして同じような爽やかさを日本酒に求めたとしても、あのゴクゴク飲める方々と同じ味の土俵で勝負したところで結局は勝ち目など無いと思いません?

暑い夏に飲んで欲しい。
これだけではレモンサワーの顧客を取り込むのは難しいです。


今の夏酒を全面的に否定しているわけではありません。
日本酒の夏の風物詩になっているものもあるでしょう。
売れて飲まれているのであればそれは良いとは思います。

ただ
夏のどんなシーンで飲んで欲しいの?
これが見えないんですよ

夏といえば何が思いつくでしょうか。

海、山、キャンプ・・・
屋台の焼きそば、カレー、かき氷、バーベキュー・・・

こういうときに飲んで欲しい
こんなものと一緒に飲んで欲しい、など。

そういった商品がもっと出てくると、夏酒はもっと個性が発揮されるとおもうんですよね

来シーズンは、そういうものが増えてくれるといいな、と思いますよ。


ではまた。

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