コールセンターの離職率
よくコールセンターは離職率が高い仕事だと言われています。
実際はどうなんでしょうか。
はい。実際、離職は多いです。
私が今までいくつものコールセンターを経験しているのですが、やっぱりどの職場も離職は多かったです。
それをやオペレーターや採用のせいにしてしまうのはとても楽です。「あいつは根性がないな~」とか「採用したの誰だよ!こんなヤツ採用すんなよ!」っていうのは本当に楽だし、それが全て間違っているのではないのです。
でもやっぱり根本的にはコールセンター側にも原因があったりするんですよね。
オペレーターが辞める原因は?
覚えることが多すぎる
コールセンターの仕事って、本当に覚えることが多いんです。業務の知識はもちろんだけど、言葉遣いとか、コールシステムの使い方とか。それを一つずつ段階を踏んで覚えていければいいんですど、初めに全部覚えないといけないんです。
業務の知識がないともちろん仕事出来ないし、言葉遣いが正しくないとお客様と話せないし、コールシステムの使いかが分からなければ電話出来ないし。
そういったことを入社してからいっぺんに覚えないといけないので、その時点でウエッってなっちゃうんです。「私こんなに覚えられない~」ってなって入社数日で離脱してしまう人が多いんです。
知識を詰め込めば詰め込むほど、業務に対する不安は大きくなるんです。「こんなに覚えないといけないことがあって、でもまだまだ覚えられてないまま実際にコールできるのかな?」って思われてしまうと、オペレーターは不安で不安で仕方なくなってしまうんですよね。
でもこれって結構簡単に改善出来るんです。
それは、研修の時間を少なくして、本当に必要最低限の知識だけ教えて、まずはコールしてもらうんです。もちろんその状態ではうまくトークできないでしょうから、となりで管理者がベタ付きでフォローするんです。多少の失敗は多めに見てあげてください。
でも、結構しっかり話せる人は多いですよ。
そうすると、オペレーターも実際の業務を経験するわけですから、「なんだこんなもんか」ってなるんです。
しばらくコールさせてみて、再度知識研修に戻します。
そうすると、オペレーターも実際の業務内容を経験して理解してるので、再開された研修もスッと頭に入ってきます。
「案ずるより産むが易し」ってやつです。実際にやってもらっちゃいましょう。
お客様と話せない
あと、もう一つは、やっぱりお客様とトークできないってことです。
研修も乗り越えて、やっと着台したけど、どうしても電話先の人と話せないって人はいます。トークスクリプトがあっても話せないんです。
そういう人たちは、やっぱりコールセンターには向いてない人種です。
どんな仕事でも合う・合わないはあります。
合わない人達なんでしょう。
職場の人たちと合わない
これもどの職場でもあると思いますが、コールセンターは特に多いと思います。
先輩オペレーターは派閥ができやすいですね。コールセンターは、チームで動いていたり、コールセンター内での業務が違ったり、組織になりやすい構造です。また、女性が多いのも、派閥ができやすい要因の一つです。
そういった、すでにできている派閥に入れなかったり、新人ゆえ自分から話にいけなかったり、うまく馴染めないとずっとそのままってことになりやすくなります。
馴染めなくても大丈夫という人であれば問題ないですが、周りを気にしてしまう人は居づらくなって、いずれ退職してしまうでしょうね。
これは社員や先輩オペレーターが気を聞かせて話しかけてあげることが一番です。職場の風土になると思います。変えていくのは少し時間がかかりますね。
離職率よりも大変な問題
現場で働いている管理者にとっては、離職率って本当に重要な問題なんです。
だって、入っても入ってもそれ以上に辞める人が多ければいつまでたっても会社は大きくならないし、オペレーターは育たないし、売り上げも品質も右肩下がりなってしまう。採用費もバカにならないし。
でも、実際にこれを理解して行動している管理者が少ないのも現実。他人事になってしまってるんだね。これは離職率よりも大きな問題。
はじめにも行ったけど、「あいつは根性がないな~」とか「採用したの誰だよ!こんなヤツ採用すんなよ!」って考え。
そして、採用は他人事で、人が足りないのは採用が悪いからって思っている現場の管理者はいる。
新人が辞める理由の本質を見ずに、つねに人が足りないセンターという間違った前提で考えて、今月も人が足りないから採用お願いしますって簡単に言ってくる管理者。
こういった会社の風土を変えないといけない。
どうやって変える?
上に立つ人間が強い意志を持って、発信し続けること。
おそらく下の立場の管理者の考えは、何もしなければずっと一緒。
だから、上の立場の人が発信する。
「このままじゃヤバイ!」「このセンターを変えよう!」
そして、具体的に自分が動く。
「オペレーターにアンケート取ってみよう」とオペレーターがどんな思いを持っているのかを知る。
「自分がこのセンターの雰囲気を変える!」といって管理者・オペレーターへ積極的にコミュニケーションをとる。
「おはよう!」「お疲れ様!」相手が無視しても必ず挨拶をする。
そして自分でもオペレーターに混じって一生懸命業務をしてみよう。
そうすると、「上の人がやってるんなら自分もやらないとな」って思って動き方を変える人は必ず出てくる。
これを半月続ければ必ずセンターの雰囲気は変わります。
上が動けば下は変わる。
そして、下を変えることができるのは上の人だけです。
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