弱者男性・異常独身男性を味方するThe Smithsのオススメ曲5選
弱者男性とか、異常独身男性とか、そうやってさ
独り身の男をいじめるのはやめてくれよ。
そんな声は誰のもとにも届かない。
なんでもハラスメント扱いされるこの世の中で、弱者男性は最後に残された「いじめても良い相手」なのだ。
ハゲいじりが咎められているところを見たことがあるだろうか?
女性の容姿をいじるのはとっくにNGなのに。不思議なものである。
170以下の男には人権がないだなんて、Eカップない女には人権がないと宣うのとそう変わらない。
年収1000万以上の男で優しい人がいいだなんて、処女だけど身体の相性がいい女が良いと宣うのとそう変わらない。
前者は面の皮の分厚い女性が言ってもギリギリ許容されるのに、後者は懲戒免職レベルの失言だ。
最近なんて、お金もなく、恋愛経験もないのに、マッチングアプリなんか使わなきゃいけないんだ。こんなくだらないことに月5000円とかかけなければいけないのは馬鹿げている。
知っているだろうか?マッチングアプリで男女で料金が異なるのは日本ぐらいだということを。
なんならアメリカでは州によっては違法だ。
この世で最も虐げられているのは性的少数者?女性?違う。
絶対に弱者男性だ。
実際に自殺者の数を見るのが早い。
19歳になるまでは男女差なんてほとんどないのに、働き始める20歳以降は圧倒的に男性の方が自殺している。
今回の記事はそんな格差について訴えるためのものではない。そんなこと言ったって読むのも憚られるような適当な論理でギャアギャアまくしたてられるのがオチだ。
そんなくだらないことは時間の無駄だ。
弱者男性は弱者らしく、弱者同士で傷を舐め合うのが丁度よいのだ。
さて、洋楽に対してどのようなイメージを持っているだろうか?
それこそ陽キャが聴くものだと思っていないだろうか?
もちろん、洋楽はクラブで聞くことを前提にしたものだって多いし、陽キャたちの陽キャ度合いも日本とは比べ物にならない。
だから、そう思ってしまうのも仕方がない。
だけど、陰キャ向けの洋楽だってある。
知っているだろうか?洋楽オタクは周囲に語る人がいないから、陰キャまっしぐらなんだ。
そんな人生を歩んできた私が自信を持って進める弱者男性御用達バンド、それがThe Smithsだ。
おすすめ曲その1:William, It Was Really Nothing
1曲目はWilliam, It Was Really Nothingだ。
この曲は結婚を否定してくれる。
そもそも結婚なんてのは男性側に一つも得のない契約である。
自分の時間は奪われ、お金は奪われ、子供が出来ても離婚したら親権はほぼ確定で奪われる。子供だって自分の子か分かったもんじゃない。
海外のジョークで、日本の女性と遊ぶのは最高だが、結婚するのは最悪だ、というのは非常に有名だが、弱者男性に遊ぶと言う選択肢はない。
ということは俺らにとっての結婚なんて、周りがしているからしている以外の価値はない。高級時計みたいなもんだ。したい人だけしておけばいい。
だけど、その同調圧力が馬鹿げたほど強いのも事実だ。
そんな風潮を一緒に笑おう。
おすすめ曲その2:Still ill
次のオススメ曲はStill illだ。
この曲は社会の輪に入れない自分を歌った曲だ。
今更だが、The Smithsはイギリスのバンドで、1980年代に活躍した。
1960年代から70年代にかけて「ヨーロッパの病人」と呼ばれるほどの経済不振に陥っていたイギリスは、サッチャー首相の弱者切り捨て政策(新自由主義)が進められていたころだ。
これは今の日本に酷似している。
失われた30年を経て、氷河期世代を切り捨て、弱者男性を切り捨てて進もうとしている今の日本に。
だからこそThe Smithsの曲は、今の弱者男性にとってとても味方になる曲なんだ。
こういう風潮に唾を吐きかけてくれるのだから。
おすすめ曲その3:Heaven Knows I'm Miserable Now
次のオススメ曲は、Heaven Knows I'm Miserable Nowだ。
人生において対峙不可避である、悶々とした虚無感や絶望感を描いた曲だ。虚無感や絶望感、弱者男性にとってこれほど身近な感情もないだろう。
この曲はThe Smithsの中でもトップクラスの人気を誇る。
YouTubeでは6000万回近く再生されている。6000万人の同志がいると考えたら、少しは心も軽くなるってものだ。
オススメ曲その4:Hand in Glove
次のオススメ曲は、Hand in Gloveだ。
記念すべきThe Smithsのファーストシングルでもある。
ということはThe Smithsのコンセプトを表した曲でもあるわけだ。
タイトルの「Hand in Glove」とは、手袋と手が密着しているように「極めて親密な間柄」という意味があり、そこから派生して結託するという意味を持つ。
つまりこの曲は、「社会ののけ者になっている僕らが結託しよう」と宣言する曲なわけだ。
ただ、例えば結託して暴動を起こす、なんてのはありがちな話ではあるが、それは力の持つ強者の手段。弱者男性は強者とは違い、弱者である事を誇り、それを強みに変えていく必要がある。
オススメ曲その5:I Know It's Over
最後にオススメする曲は、私がThe Smithsで最も好きな曲、I Know It's Overだ。
まずタイトルからしてすごい。I know it's over、終わってることなんてわかってる、である。
歌詞もド陰キャなThe Smithsの中で飛び抜けて陰鬱であり、最初から最後まで救いようのない曲である。
まず歌い出し。
なんとなく自殺を仄めかすラインである。
ただ、特徴的なのは死ぬほどの勇気はないことである。
終わってることなんてわかってる。なら死んだ方がマシだ。
だけど死ぬことさえできず、生に縋り付いてしまう。
どこに行けば良いのか、未来はどうなるのか、何もわからない。だけど生きるしかない。
そういった底抜けの絶望感が巧みに描かれている。
いつものThe Smithsのように表面上の愛しか与えない女性をしっかり否定した上で、再度人生への絶望が強調される。
ただ、実はここからのラインが非常に強烈なのだ。
弱者男性は基本的に持たざるものだ。
そして自分が終わっていることもわかっている。
だけど、心の中で少しの希望は持っているはずなのだ。だから自死しない。
まだ見つかってないだけで、俺は面白いし、賢いし、魅力的な部分は多少あるんだ。
世の中の女がバカだからわからないだけで。
そんな風に思っているから常に表面的な愛を見下しているし、女性に対して毒を吐いている。
だけど、そんな弱者男性を真っ向から否定する奴が現れるのだ。
他の人たちが誰かと愛を育んでいる中、君は心の中で毒づいて、今夜一人でいるのはなぜなの?
君が魅力的でイケメンで賢い要素を持つってのはわかった。ならなんで今夜一人なの?
こんなひどいこと言わないでくれよ、ってくらい強烈なラインだが、弱者男性には本当にブッ刺さることだろう。
そして、最後に俺たちが愛を育めない理由を示唆してくれる。
本当に魅力的であるためには心の強さが必要なんだ。
それでやっと他人と愛を育むことができる。
でも俺たちは心の強さを育むことからずっと逃げてきた。
だから本当の愛は育めない。
ならどうすればいい?
弱者には弱者の強さがある。それはHand in Gloveをはじめとして、The Smithsの様々な曲が教えてくれる。
そしたらきっと、そこから始まるんだ。