椎茸大戦争
先週、次回予告は悪だ!みたいなことを言っときながら次回予告しましたが書きたいことが出てきたのでそれをお送りします。(わがまま)
この文章には、椎茸を大きく侮辱する表現が、登場します。椎茸愛好家の皆様、並びに椎茸農家の方、椎茸さんは、ご了承の上、お読みください。
僕は椎茸が嫌いである。昨日の夕飯に出た椎茸に白いソースがぶっかかったあれを食べた時のことを記そう。
序章 僕とキノコ
椎茸以外にも、隣国のキノコ帝国連邦は亜鉛合衆国と十数年前から仲が悪い。
特に、帝国連邦と我が国の国境付近に位置する椎茸州と、マッシュルーム州との仲は最悪だ。我が国の大統領はキノコアレルギーで、キノコの話題をした瞬間に身体中に発疹が出て、呼吸困難になるから、この問題を解決する気はさらさらない。牛乳をぶっかければ治るらしい。
帝国連邦で、比較的仲が良いのは、キクラゲ州である。キノコかどうか、ギリギリキノコ帝国連邦に編入された、グレーな州である。キクラゲ州の州長は代々菊家が担ってきた。今は第十二代目州長として、菊 羅花 氏(以下菊氏)が政治を行なっている。菊氏は我が国と仲がいいだけあって、たまに書簡が送られる。そして極たまに食卓に並ぶ。ごめんね菊氏。キクラゲ州はグレーな州であるから帝国連邦の端っこにある。それも合衆国と反対側。ちなみに真ん中で国政を担っているのは松茸帝政州である。だから書簡は間の関所で見つからないよう、寿司共和国と牛乳民主共和国とを経由して送られてくる。
第一章 関係最悪への道
ある日、椎茸軍が攻め込んできた。(食卓に並んだ)我が国の大統領は
「国境に全部隊を配置しろ」
と、言い残して部屋に閉じこもった。
国境では激戦が繰り広げられた。
たべる、たべない、残す、たべる、たべない、残す、たべる、たべない、残す、、、。
結果、引き分け。だが、我が国の味覚担当相が責任をとって辞任した。
(つまり、頑張ってたべたけど味覚がおかしくなって他のものが喉を通らなくなった。)
この戦いを椎茸独立戦争と名付ける。椎茸州の州長である四維 竹氏(以下四維氏)がキノコ帝国連邦の悪政に疲弊して独立しようと連邦帝国王のキノコ氏(仮名、本名不詳)に直談判したが、聞き入れられず実績で示そうと領土拡大を狙って攻め込んだ模様。でもどう考えたって椎茸はキノコだ。あと、「独立したいでーす」って言って聞き入れられる王は悪政をしないと思う。四維氏は反逆罪で終身刑に処され、州長代理として俺 天才氏(以下俺氏)が送り込まれた。俺氏は我が国を潰す命を受けてやってきたのは掴んでいた。
今まで四維氏の努力で関係改善に向かっていたと思われたが、両国の関係はさらに悪化の一途を辿っている。
第二章 全面戦争
キクラゲ輸出禁止令や、国境封鎖など、穏やかでないことも続いたが、比較的我が国は落ち着いてきた。
しかし、その時は突然にやってきた
ある日、水汲みをしていたある国民が大量の大砲を見た。
デデーン!
そして、打ち始めた。
世紀の大戦争、亜鉛キノコ大戦争が始まった。
最初は我が国が優勢だった。他の食べ物と混ぜてたべるという意地汚い戦法を持っている。十三年にわたる関係悪化の中で培った戦法だ。
しかし、徐々に後退し始める。補助食材を失ってきた。兄がどうやって食べるのかニヤニヤしながら見てくる。
僕は母帝国に援助を求めた。
一番相性の良いお米の援助で勝利にもつれ込む作戦だ。
しかし、ここ数年小麦が豊作で、田の面積が減り、米の収穫量がガタ落ち。そして価格は高騰し、例え女王(先日の従兄弟のことではありません)であっても入手は厳しいという。パンならたくさんあるらしいが、帝国のパンは激ウマなので、椎茸なんかのために使いたくない。(椎茸ごめん)あっという間に形勢逆転。何か必勝法を見つけなければ。
あった。
干し椎茸。
これなら食べれる。
よし
干し椎茸にしてしまおう。
椎茸を
僕は
スプーンで
ぶっ潰した。
兄が目を逸らした。
食べる。
椎茸の毒素(僕が嫌いな味)が凝縮されていた。
オゥウエェっ!
そういえば干し椎茸は干して作っている。
電子レンジに入れるべきだった。
終章 休戦協定
この戦争は数ある対椎茸戦の中でも最長となる35分を記録した。泥沼化した戦争で、僕が最後の椎茸を飲み込み、頭が朦朧としてきたときに俺氏が最後通帳を突き付けてきた。
コレ以上抵抗スルナラ我全兵力投入モ辞サナイ。早ク降伏シロ。
何これ?
昭和の電信?
無視した。
今度は打って変わって休戦協定を提示してきた。
これからお互いに攻めへんだらええやろ(*´◒`*)
今時の女子高生でも使わない顔文字付きだった。
次に椎茸が食卓に並ぶのはいつだろう。
この物語に登場した人物は実際の人物とは関係ありません。
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