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読書完走#15『熱狂なきファシズム』想田和弘 2014
NYから時々届く鋭い時評に共感している同世代のドキュメンタリー映像作家、想田和弘さん。我々日本人の政治への「恐るべき無関心」に対する警鐘として放たれた「言葉の弾」の数々。
国会での絶対多数を背景に安倍政権が進める秘密保護法、安保法に共謀罪創設そして改憲。争点を隠しながらじわじわコソコソとなし崩し的に立憲主義を解体し、全体主義を志向していく有り様を「熱狂なきファシズム」と呼んだのが4年前。
そしてこの1年ほど目に余る政治の私物化の象徴である森友疑惑で公文書の改ざんが明るみに出て、さすがに異常に気づき怒る国民の「熱狂するデモクラシー」が連日官邸前で爆発を続けている。想田氏が本書で危惧した「低温火傷による破壊」を食い止められるか否か。大げさでなく日本の民主主義は今まさに瀬戸際を迎えている。