見出し画像

読書完走#362『日本文化の核心』松岡正剛 2020

神仏習合、漢字から仮名の創出、リミックスあるいはエディティングすなわち編集。「ジャパン・フィルター」というアプリを駆使して換骨奪胎された日本像。

日本文化の正体は必ずや「変化するもの」にある。それは「おもかげ」や「うつろい」を通してやってくる。

西洋的な二項対立に対して、我が国では常に二項同体(清沢満之)を大切にする。どちらかを切り捨てるのではなく、あえて「二つながらの関係」に注目しようという態度だ。西田幾太郎の難解な用語「絶対矛盾的自己同一」も、そう考えると少し理解できる。

松岡正剛さんが主宰する編集工学研究所の合言葉は「生命に学ぶ/歴史を展く/文化と遊ぶ」。学ぶ=「まなぶ」は「まねぶ」であり、真似すること。大陸、特に中国の文化を真似て取り入れ、独自の文化を育んできた日本。日本文化はたいそう微妙で、たいそう複雑なのだ。