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城山文庫の書棚から078『神山 地域再生の教科書』篠原匡 ダイヤモンド社 2023
徳島県神山町。地方創生の成功モデルとして全国から注目を集める町だ。人口5千人弱だが、様々なルーツの移住者が東日本大震災をきっかけに増え、コロナ禍の2020年には8年ぶりに社会増に転じた。何が人々を神山に惹きつけるのか。
2023年4月、神山町に新しく全寮制の高専が開校した。1学年40名、全体で200名の学生が住民として加わる。ほとんどは町外から移り住む若者であり、彼らが町にもたらす効果と影響は計り知れない。神山に残り起業する者も現れるだろう。
元の住民と移住者が交流し、人が人を呼ぶ好循環が神山には生まれている。背景にはAIRやサテライトオフィスなど様々な仕掛けがある。1990年代から先人達によって蒔かれた交流の種が芽を出し、花開いた。来る人を拒まず受容れるオープンマインドが神山の強みだ。
著者の篠原さんは、多様性と偶発性が他の地域が神山から学び活かせることだと指摘する。彼が最初に神山について本を書いた10年前から、着実に町はアップグレードしている。地域再生に留まらず、ビジネスの視点でもヒントが溢れる一冊だ。