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読書完走#501『失われたTOKIOを求めて』高橋源一郎 2022
コロナ禍でこれまでの日常が失われた東京の街を作家が訪れる。訪問先は渋谷、新宿、上野などメジャーな街。マンガの聖地=トキワ荘やアニメの聖地=ジブリ美術館も。最後に訪れたのは東京のど真ん中、皇居。
著者は関西で生まれるも幼少期に家族と東京に移住、その後の転居歴は30回を超えるという。
コロナで1年延期となったオリンピックのメイン会場=国立競技場や都知事選の舞台である西新宿の都庁では、自らの50年前、学生運動の記憶と重ね合わせる。
豊島区長崎に錚々たる漫画家たちが集まっていたトキワ荘の黄金時代、幼い著者は2年ほどその街で暮らしていた。トキワ荘が復元されたミュージアムには、彼自身の当時の生活も復元されていたという。かなり私的な東京案内。
本書のタイトルについて。言わずもがな、プルーストの名作『失われた時を求めて』のパロディーだ。私にとってはもうひとつ意味がある。
小学校の時の校長、逸見時雄先生。埼玉なのにトキオ=東京なんだと鮮明に印象に残っている。TOKIOのトキはやっぱり時なんだ。