読書完走#197『見えないものとの対話』平川克美 2020
2018年からネットで始まった本書と同じタイトルの連載が、奇しくも“見えないものとの闘い“が続く今、一冊の書物になり手元に届く。これは単なる偶然に過ぎないのかもしれない。けれど少なくとも、タイトルを見ただけで何かを感じ、読んでみたいと思わせたのは事実。
書かれているのは平川さんが暮らす街や主宰する隣町珈琲での日常と、選ばれた詩の言葉たち。
「わたしたちがいま、ここに存在していることこそが、奇跡のような偶然の結果に過ぎないのだとしても、その奇跡がありふれた日常を支配していることもまた事実なのだ」
我々の暮らす何でもない日々は、それゆえに、はかなくていとおしい。