見出し画像

城山文庫の書棚から 040 『東京凸凹散歩 荷風にならって』大竹昭子 亜紀書房 2019

永井荷風が100年前に書いた『日和下駄』を片手に、東京の山手を中心に歩いて綴ったエッセイ。タイトルにあるように谷や坂など微地形に関する記述が多い。「東京の地表を一枚ずつはがしていけば、最後に行きつくのは地形である。」スリバチ学会の皆川会長に通じる見解に深く頷く。

割とぶらぶら街を歩く方だけど、行ったことのない街、通ったことのない道がいくつも出てきて、涼しくなったらこの本を持って出掛けようかという気になっている。

一番大きな発見は、勝手知ったる四谷荒木町に荷風が女性を住まわせていたこと。どの辺りにどんな部屋を借りていたのか、想像を巡らせながら彷徨するのもまた楽しみだ。