シェア
昨年から朗読を始めた。本棚から一冊を選び、一人で声に出して読む。 何故朗読に手を出したのか、それはオーディオブックに興味があったからだ。私はずっと紙の本を好んできたが、聴く本というのも是非生活に取り入れたい文化だと思っていた。家事をしながら、寛ぎながら、言葉に触れられるなんていいじゃないか、と。 ただ、私は聞き取り困難症/LiDの症状があり、ずっと発話に耳を傾けるのは決して優雅なものではない。 実際に既に活字で読んだ小説を耳で聴いてみたのだが、何せ集中力が続かない。それより
高田大介さんの「図書館の魔女」を読んで、“言葉”の底なしの深さを知った。それは、日本語であるとか英語であるとか、はたまた他の国の言語によって言葉そのものに文化があるということに限らない。それを言葉で説明できないのが悔しいような、それこそ言葉の本質であるような気がするが、とにかく私は「言葉を使いたい」と初めて思ったのだ。それは、とても豊かな気付きだった。 私が普段口にしたり文字に書いたりして使う日本語でさえ、「言葉を使う」ことを意識すれば、一言一言、一文字一文字が選択の連続と