1.値段の無いカフェ
数年前、友人ととあるカフェを利用した。
(名前は覚えていない)
昼食を食べようと思ったが、中途半端な時間帯の為なかなか営業中の店が見つからず、たまたま見つけたのがこのカフェだ。
ただ「オシャレな感じ」の雰囲気だけで決めた。
私は「おにぎりセット」の様な小さめのランチプレートを頼んだ。
食事も美味しく、自然の中にポツンとあるカフェで、窓からの眺めも最高でとても満足した。
飲み放題の自家製の野草?のお茶を飲み、ゆっくりと過ごした。
食事を終え、お会計をする為レジへ
すると店員さん
『お支払いはお客さまが値段を決めてそちらの箱へ入れて下さい』
…は?
生まれて初めての体験だった。
普段私達は、何かを買う時・利用する時必ず〈既に決まっている値段〉を支払う。
その事に何の疑問ももっていない。
私は迷った挙句1000円を箱にいれた。
私が頼んだのは「おにぎりセット」で本来は1000円以下かと思う。
でも、私が〈価値として捉えた〉のはおにぎりセットだけでは無く、店のシチュエーションやゆったり過ごせた時間も含んでいた。
そしてプラス…
『少しの見栄だ』カッコツケンナ
この時私は初めて〈お金というツールを使用し自ら価値を決め値段を付けた〉
それから数年後、私は自分1人の店をオープンした。
そして更に数年後…
小さな節目の年にこの体験をフッと思い出した。
とても面白い試みだと感じたからずっと頭に残っていたのだと思う。
そして企画を立ち上げた・・・つづく