幸せの青い鳥-期待と興奮の消耗ループから抜け出す:後編
前回は「幸せ」とはどういう状態なのか、そして何かを幸せとして「期待」することで生まれるフラストレーションのループについてみてきました。
前回の記事はこちら
今回は『「幸せ」を習慣的に感じるスキルを身につける』の具体的なアプローチについて一つ紹介しようと思います。
「幸せ」を習慣的に感じるスキルを身につける
「幸せ」を習慣的に感じるスキルとは、あらゆる期待を停止して、そのことで常に幸せな状態をつくることをスキルです。
これは「マインドフル」だとか「充足感」という言葉に置き換えてもいいでしょう。
要は、刺激と興奮を求める「期待」を引いて、あるがままの状態を観察できる能力を身に着けて習慣的に「幸せ」を感じる人生を始めるということです。
ヴィパッサナー瞑想(言葉を発しない修行)などを経験した人は日常、どれだけ頭の中の雑音で目の前の大切なことやすでに手に入れている素晴らしいものに意識を向けていないかに気付いたと思います。
具体例でイメージしてみましょう。仮に2人の40歳男性が秋葉原でジーパンにリュックを背負ってプラモデルを物色しているとします。
ひとり目は、自分をキモいと言った男女を抹殺する妄想をしながら戦車や戦闘機のプラモデルを眺めて、いつか自分をバカにした全員を泣かせて謝らせる妄想をしているのかもしれません。
もうひとりは、貧乏な家庭で育ってバカにされた悔しさをバネにいろいろなお金儲けをして億万長者になったけれど離婚で妻も娘も失って、自分が子ども時代に買ってもらえなかったプラモデルを買いにきたのかもしれません。
肉眼で見れば同じでも、ひとりは世見への恨みの行動でもうひとりは世見に対する鎧を脱いで本当に自分が欲しかったものに立ち返った瞬間なのかもしれません。
違うのはそこに「何を期待しているのか」というイメージに過ぎません。
同じように私たちは、健康を失ったときに初めてその価値を思い出しますしこの世を去るときに貴重な時間を無駄にしたことを思い出します。
そのことがわかっていれば、いまあるものに目を向けることで幸せはいつでも感じることができるとわかります。
これがいわゆる「感謝」のパワーです。
いまあるものが当たり前ではないことを思い出すことで幸せはいつでも感じることができる。
このスキルが習慣になることでフラストレーションに対する短絡的な反応ループに振り回されずに、結果として重要な行動にフォーカスする力が生まれます。
参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。