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安全な空の旅とは、乗客の記憶に残らないこと。

こんにちは。ZIPAIR note編集部です。

今回は、ボーイング787-8型機の機長を務め、安全統括管理者でもある吉澤賢一を迎え、「エアラインが追い求め続ける“安全”に対しどう考えるのか」「安心して空の旅をお楽しみいただくために、どんなシステムを取り入れているのか」「新しい時代に挑戦するエアラインとして、どんな想いで安全性を確立するのか」など、ZIPAIRの安全への取り組みについてお伝えします。

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顔丸テンプレ

プロフィール/吉澤賢一
1981年JAL(日本航空)に入社。ボーイング747、777、787など、さまざまな機体で機長を務めながら、路線教官をはじめ、安全推進部の室長など多くの役職を歴任。運航乗務員としては、ニューヨーク線やボストン線、パリ線、サンパウロ線など、豊富な飛行経験を持つ。2018年から、ZIPAIR Tokyoの取締役として、飛行訓練教官、安全統括管理者の職務に服務する。

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安全性は別格の存在。JALの知見に基づいた安全体制。

―ZIPAIRが目指す「安全で快適な移動体験」を教えてください。

まず私たちが掲げるフライトを実現するには、整備士や地上スタッフ、運航乗務員といった、空のプロフェッショナルの力が必要です。今回は運航乗務員である私の視点も加えてお話をさせていただきます。

皆さんにとって「安全で快適な移動体験」とは何でしょうか。

快適さという意味では、思い出に残るような楽しい時間を過ごしてもらうことが言えるかもしれませんね。ですが、安全面においては、逆に記憶に残らない移動体験というのがよいのではないでしょうか。

何事もなく搭乗して、何事もなく飛行機から降りる。お客さまが安全を意識しないことが実は究極の安全であり、フライトに不安な気持ちを持たなかったからこそ記憶に残らないと私たちは考えています。

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―LCCだからこその、安全に対する認識はあるのでしょうか。

この点においては、フルサービスキャリアもLCCも考え方は全く同じです。

ZIPAIRは新しいエアラインであるものの、JALグループの一員としてJALが長年培ってきた世界最高水準の安全技術やノウハウ、地上支援や整備体制を積極的に取り入れることができる優位性があります。

そのJALから受け継いだ安全体制という基盤をさらにブラッシュアップできるというのは、私たちの強みと言えるのではないでしょうか。

―エアラインにとって、安全の確保は使命ですからね。

本当にその通りなのです。一般的にエアラインの運航方針は、“安全性“”定時性“”快適性“”経済性“の4つの要素で構成されています。ZIPAIRでは、その中でも安全性を別格の存在であり運航方針の土台と考えていますので、仮に安全に懸念が生じた場合は、安全の回復に集中するようにと社内で徹底しています。

また、私たちはJALグループの一員ですので、「安全憲章」にのっとって日々の運航を行っています。

安全憲章とは「安全とは、命を守ること」と定義し、会社存立の大前提となるものです。社内で航空安全推進委員会を設置し航空法の定めに従って安全管理体制を整えるなど、社内一体となって安全性の向上に取り組んでいます。JALグループの安全会議体を通じて、他社の事例など情報を収集し、社内で必要な施策を検討することもその一つです。

安全への取り組みについて、詳しくはこちらをご覧ください。


乗務員の疲労リスク管理のため、世界水準の規定をいち早く導入。

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―ここ最近、乗務員の疲労から生まれる事故が国際的にも注目されているようですが、ZIPAIRではどんな対策をしていますか?

国土交通省からも発表がありましたが、操縦士の疲労が一因となる事故やインシデントが世界的に顕在化しています。

私たちの業務は24時間365日動く必要があり、多くの旅客の命を預かる重責に加え、長時間の運航や時差の影響による疲労の発生や蓄積が以前から問題視されていました。もちろん飛行時間の制限などの基本的なルールは存在していましたが、細かく具体的な規定はありませんでした。

そこでグローバルスタンダードになりつつある、疲労リスク管理に基づいた乗務員の勤務基準を国内他社に先駆けて規定化したほか、社内に委員会を設置し、乗務パターンの検証等を行っています

具体的には、運航乗務員の交替要員の増員や、乗務員の睡眠時間の管理、乗務前の休養時間の規定などを取り入れ、疲労を生み出しにくい環境を作り上げるなど、安全運航のためにさまざまなことに取り組んでいます。

―現場スタッフの声も取り入れることを考えているとか。

社内では、運航、客室、整備、空港・貨物部門がそれぞれ独自の安全会議体を設けることに加えて、安全体制をより強化するための安全推進部が各部門の課題を一元管理し、現場目線で収集された安全に関するスタッフの自発的な報告をしっかりと吸い上げるようにしています。

その情報を元に必要な施策を打っていく制度もシステム化して運用することにしました。

―徹底した体制が確立されているんですね。

新しいエアラインではありますが、整備を含めた支援体制はJALと同様ですし、運航乗務員についてはさまざまなエアラインで経験を積んだベテラン揃い。運航乗務員の主な仕事は、飛行機を目的地まで運航することと思われがちですが、最も大切な任務は航空機の安全管理です。搭乗するお客さまが安心して快適な空の旅を過ごしていただけるようなフライトを提供していきます。

また最新機体のボーイング787は、私が今まで乗ってきた数々の機材の中でもこれまでにない機能性と快適性を実現しています。ぜひZIPAIRで「安全で快適な移動体験」を実感してみてください。

皆さんのご搭乗を心からお待ちしております。

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