エアラインとして、どう向き合っていくのか(感染予防対策・前編)
こんにちは。ZIPAIR note編集部です。
今回お伝えするのは、ZIPAIRが取り組む新型コロナウイルス感染症に伴う予防対策です。
社会・経済活動の再開を受け、エアラインとしてお客さまとスタッフの安全・安心を確保するために、どんな予防対策を取り入れて身を守っていくのか。取締役の深田康裕からお話しします。
まずは、ZIPAIRが考える新型コロナウイルス感染症への向き合い方です。
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プロフィール/深田康裕
1991年JAL(日本航空)に入社。経営企画室やシンガポール支店を経て、2010年には路線統括本部にてマーケティング戦略を中心に実績を積む。2018年からティー・ビー・エル(2019年3月にZIPAIR Tokyoへ社名変更)で企画マーケティング部長を務め、2019年にZIPAIR Tokyo取締役に就任し現在に至る。
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スピード感を持って新規事業を立ち上げた経験を生かす。
―新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受けて、今までにない試みから始まったんですよね。
当初2020年5月14日に東京(成田)-バンコク(スワンナプーム)線、7月1日に東京(成田)-ソウル(仁川)線の就航を予定していましたが、4月7日の緊急事態宣言の発出に加え、タイ王国の旅客便全面飛行禁止措置や入国制限などの諸問題により、残念ながら就航を延期することになりました。
「この状況において、エアラインとして社会に何か貢献できることはないか」と全スタッフで協議した結果、貨物などの物流需要が伸びていることに注目し、貨物専用便として航空運送事業をスタートしました。ボーイング787-8の機材の大きさを生かして、機材の床下にある貨物室に1便あたり最大20トン搭載し、週4往復で運航を開始しまして現在は週6往復運航しています。
実は、社内で貨物便の話が出たのは4月初旬で、そこから旅客機を使って貨物便として運航できるのか、需要があるのか、収益性はあるのかなどを綿密にシミュレーションし、各国関係各所との調整を入れて、6月3日にはスタートを切ることができました。
新規事業にスピーディーに参入できたことは、今後私たちにとってさまざまなサービスを導入する際に生かせるよい経験と自信につながっています。
―これから新型コロナウイルス感染症とどう向き合っていくのでしょうか。
お客さまが不安に思われることに対してしっかり向き合い、消毒・清掃作業などさまざまな感染予防対策を徹底して取り入れていきます。
また、ZIPAIRは立ち上げ当初からフルサービスキャリアやLCCという枠にとらわれない、将来のスタンダートになる「NEW BASIC AIRLINE」を目標に掲げているエアラインです。
新型コロナウイルス感染症については、将来の世界における前提、つまり世の中にあるものとして、その状況下でのお客さまのニーズをとらえた新たな価値観・サービスを実現していきます。
そういう意味では、ヒューマンタッチポイントの極小化に向けたサービスなど、ZIPAIRが当初想定していた4~5年後に空の常識となるべき新しい価値観が、今回の一件で、急速に近づいてきたと前向きにとらえていますね。
感染予防対策につながる空の上の新しい常識とは。
―ヒューマンタッチポイントの極小化とは、具体的にどういう内容なのでしょうか。
例えば、銀行は窓口業務からATM、インターネットバンキング、そしてスマホアプリへと取引業務の形が変わっていきました。航空業界でも同様に、空港でのチェックインや手荷物のお預かり、機内でのサービスなど、今まで対面で提供していたサービスや業務が、これからの時代は必ずしも人が対応する必要がなくなっていくと考えています。
―空の旅もこれまでと形が変わっていきそうですね。ZIPAIRではどのように新しいスタイルを作り上げていきますか?
空の移動でも地上における移動と同じように、搭乗するお客さまが自由に自分のスタイルで過ごしていただける時間、空間をご提供することに私たちは力を入れています。
その一環として、ご自身のスマートフォンなどを使って各種サービスを受けていただけるようなインフラを整備しています。ぜひZIPAIRの「NEW BASIC」を体感してみてください。
詳しい取り組みについては、後編でお伝えします。