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詩「小さな過ち」


犯してしまった小さな過ちを
誰に告白することもなく
僕は秘密の箱に閉じ込め
鍵をかけた

そのことは誰も知らない
もちろん君さえも

うまく逃れたはずなのに
誰かの眼が僕を見つめている
すべてお見通しだと言わんばかりの
冷徹な眼で

それが誰なのか僕は知っている
気づかぬふりをしても
その眼から逃げることはできない

そして夢を見た

森の奥の古い納屋で
ランプの灯りに映し出された僕の影が
秘密の箱をこじ開けようとしている







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