【最後に伝えようと思うこと】


 最後にお家の方や子どもたちに伝えようと思うことを書いていいたら、文章量が大変なことになりました。

 A43枚分くらい。これでもものすごくはしょったんだけれど、やっぱりリアルタイムで伝えればなと思いつつ、やっぱり6年生を送る会や卒業式関係で見せた姿を伝えたくて。

 きっと、起案も通らないと思うので、ここで成仏させます。w

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 1年間大変お世話になりました。

 今年度を振り返ると、保護者の皆様方にはたくさんの心配をかけてしまったことと思います。至らない点が多々あり、申し訳ございませんでした。また子どもたちにも、多くの不安を与えてしまったこと事実です。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。

 しかしながら、子どもたちが少しでも自分たちで行動できるよう、また仲間と協働することができるよう、諦めず指導を続けていたことも事実です。6年生になることを間近に控えた今、子どもたちの成長の芽が少しずつ出てきています。苦しい時期もありましたが、こうして成長の兆しが見えるまで、担任として立ち続けられているのは、護者の皆様の支えがあったからに他なりません。温かく支えてくださり、本当にありがとうございます。

 また、最後まで諦めず勇気をもち続けてくれた子どもたちにも感謝の気持ちでいっぱいです。

 1年間、本当にありがとうございました。子どもたちが6年生になり、最高学年として成長した姿を見せてくれることを期待しています!!

 最後に、5年生の成長が見られた「6年生を送る会」のエピソードを綴らせてください。

 6年生になってからの成長が楽しみになる姿がたくさんありました。少し長くなりますが、お付き合いいただければと思います。

ーー「6年生を嬉し泣きさせる会」を達成!!ーー

 遡ること2学期の終わり。3学期の「6年生を送る会」に向けて、どのような会にしたいか?とクラスで話し合い、目標を立てました。喜ばせる。思い出に残る。楽しい。嬉し泣きする。など、たくさんの言葉が子どもたちから出てきました。出てきた言葉の中から優先度を話し合い、最上位目標を「6年生を嬉し泣きさせる会」と決定しました。対象とする相手、そして達成したかどうかがはっきりと見とることができる素晴らしい目標を立てたなと感心したことを覚えています。

 目標が決まってからは、6年生が嬉し泣きする会にするためには、どんな内容にするかをまたクラスで話し合いました。昨年度もその前の年も、「6年生を送る会」はリモートで行われていました。しかし、子どもたちの意見を集約する中で、嬉し泣きさせるためには、実際に全校生で集まって会を開くことに行き着きました。感染症対策も頭に入れた上で、内容の検討が始まりました。縦割り班で遊ぶ活動を入れること、プレゼントを送ること、在校生からの送る言葉を入れること、場所は外にすること、音楽を流して盛り上げること、6年生教室を飾り付けをすること、思い出のスライドショーを作成して見せることなどの内容が決まりました。しばらくリモートでの開催で会のイメージが湧きにくい中、ゼロから計画していく様子にたくましさを感じました。

 内容が固まり、「次は何が必要?」と問いかけると、「役割分担をすること」と返ってきました。概ねこのようなやりとりを繰り返し、子どもたち自身が考えが反映されるよう、サポートしていきました。役割分担をするために、当日までに必要と思われる仕事をひたすらリストアップ。仕事内容を分類し、役割分担をしていきました。

 役割の内容は、「司会進行」「花のアーチ」「会場設営/演出」「音楽」「プレゼント」「遊び」の6つ。そして、一人一人の担当を決定していきました。この役割分担をする話し合いでは、「全員で28人だから、大体1つの役割につき、4・5人だよね?」「ここ人数が多いから、別のところに移動するわ!」などのやり取りがあり、上手に折り合いをつけていました。成長が見られた場面です。

 役割が決まってからは、担当ごとにいつまでに何をするかと計画を立て、それに沿って準備を進めていきました。また毎時間、全体で最上位目標を確認したり、各担当で目標を設定したり、進行状況を共有したりしながら進めました。まるである1つのプロジェクトを成功させるために各部署で仕事を進めていく会社のような雰囲気だったことが印象的です。

 司会進行担当は、話す内容をゼロから自分たちの言葉で考えました。また、在校生から送る言葉として各学年代表1名を決めてほしこと、原稿用紙1枚程度の言葉を準備して欲しいことなどを、各学年の教室に足を運び、依頼にいきました。リハーサル(子どもたちの考えで、本番までに3回リハーサルを行いました)の際も、「並ぼう!」「始めるよ〜!」と仕切りに声をかけ、引っ張っていたのも司会進行チームです。クラス全体を動かすのはとても大変だったかと思います。上手く全体が動いてくれないことに、もやもやを感じたこともあったと思います。それでも諦めず声をかけ続けたり、リハーサル後の振り返りでもどうすればスムーズに会が流れるか意見をだして改善してきたりしました。本番は、臨機応変な対応で見事に全校生を動かし、会を進行しました。

 花のアーチ担当は、役割分担をしたその日から、アーチやお花紙を児童会室から集め主体的に準備を進めました。アーチを何本作るのか、そのためにはお花は何個必要なのかを考えながら休み時間も作業に努めました。リハーサルで「花のアーチのときにどのように並ぶかが分かりづらかった」という反省から、並び方を図に表し、プログラム用紙に図を追加しました。当日は、速やかに花のアーチを各学年に配り、在校生が困らないように配慮した行動が素晴らしかったです。

 音楽担当は、遊びの際に流す曲や退場の際に流す曲を考え、タブレットを使って曲と曲をつなぎ、編集しました。遊びの時は、アップテンポの曲で、自然と気持ちも盛り上がる工夫をしました。退場の際は、しっとりめの曲で、別れの演出をしており、場に応じた工夫が見られ驚きました。

 プレゼント担当は、6年生1人当たり200円という予算の中で、何をプレゼントするか考えました。業者からカタログをもらい、6年生が喜ぶものは何かを検討しました。また、6年生1人1人に贈る色紙作りの計画も立て、実行していきました。いつ、どこで、どのように色紙作りをするのかを明確にし、在校生や先生方へ協力の依頼に行きました。その協力依頼のおかげで、無事縦割り班ごとに色紙を完成させることができました。出来上がった色紙を包装し、会で6年生に渡すことができました。

 遊び担当は、縦割り班ごとにどこでどのように遊ぶかを検討しました。主役である「6年生の意見」を大切にするために、どんな遊びをしたいかというアンケートを6年生から取ったり、集めた意見から遊びの内容を決めて場所の割り振りをしたりしました。全校生がどこでどんな遊びをするか迷わないように、遊びの内容と場所を一覧表にし、プログラム用紙に追加しました。全校生を考えた行動に温かさを感じました。

 会場設営・演出チームは、コツコツと折り紙で飾りを作ったり、輪飾りを作ったりしました。また全校生が校庭のどこに、どのように集合するのかを分かりやすくするやめに、校庭にラインを引くことを行いました。前日や当日の準備では、6年生教室内や黒板を綺麗に装飾し、場を整えました。飾りの準備と同時進行で、タブレットを用い、思い出スライドショーを作成しました。挿入曲のリクエストを6年生にから集め、1年生の時から順に6年間を振り返ることができるように写真の順序を工夫しました。6年生退場の際に先回りにして6年生教室でスタンバイし、全員が揃ったら再生できるような工夫もお見事でした。そして、その動画の最後に「6年生を送る会」当日の写真を急遽追加し、6年生を驚かせました。私も、その話を後から聞き、嬉し泣きさせるための演出に感動しました。

 「6年生を嬉し泣きさせる会」と目標を決めた日から、全員が全員涙するとは限らないけれど、その目標を諦めないことはやり続けられるよと、励まし続けてきました。長い期間中、遊び出してしまうことや思い通りにリハーサルが進まないこともありました。また、ゼロから自分たちの手で作り上げる難しさや、苦しさもあったかもしれません。ですが、子どもたちは諦めませんでした。

 本番終了後、6年生が涙を流す姿がありました。嬉しいだけではなく、感動や、寂しさもあっての涙だったかもしれませんが、本当に涙が流れる会を5年生たちは作り上げたのです。5年生の子どもたちが、6年生が涙する姿を見て、「先生!6年生が本当に涙を流してるよ!」「また涙している6年生を見ましたよ!」と口々に、私に報告してくれました。その達成感に満ちた、目を輝かせる5年生を見て、私まで涙溢れる想いになりました。

 自分たちの力で行事を作り上げる面白さ。苦しいことも乗り越えられた自信。自分たちで考えたことを、相手が喜んでくれたという感動。1人では実行が難しいことも、クラスで手を貸し合って協力することで成し遂げられること。などなど、この経験を通してたくさんのことを感じ取ってくれたと思います。それは、どれも与えられたものをこなすことの何倍も大きいものだと思います。

 来年度、最高学年としても活躍がとても楽しみなりました。

 その後の「卒業式」でも、送る言葉を自分たちが伝えたい言葉から作り出し、自ら練習する姿がありました。また、会場の準備や片付けも進んで行い、学校のためになることを考えて行動しました。

学級のスローガンは「Rainbow🌈 burger🍔〜デザートはさくらケーキ#友達しか勝たん!〜」で、「個性を認め合って、つながり、一生の仲間をもつ」がその意味です。簡単なことばかりではなく、まだまだ達成とまで言い切れないところもありますが、「6年生を送る会」「卒業式」で協力した経験が、これからも「つながり続けていける仲間」となるきっかけになればと思います。
 
 人とのつながりは、一生涯の幸せに大きな影響を与えると考えています。人とのつながりや出会いを大切にし、最高学年として活躍する子どもたちの姿を楽しみにしています。

 1年間、本当にお世話になりました。

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