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【勝手に観光大使プロジェクト】


来週末に、益子町に遠足に行く。

遠足の目的は、

①つながりを深めること。
②その街の文化に触れて学ぶこと。
③公共の場の判断力と行動力を磨くこと。

の3つである。

そして、クラスで決めた遠足のテーマは、「楽しみ、協力し合う遠足」である。

一つ目につながることといえば、協働してつながりを深めたり、当事者意識を高めるために、遠足のしおりをCanvaを使って子どもたちが作成した。

また、3つ目にあたる判断力や行動力は、毎日毎時間の良い原因の積み重ねであるため、毎日毎時間磨き続けている最中である。

では、2つ目にあたる街の文化に触れて学ぶこと。このゴールを達成するために、ちょっとしたスペシャルな課題を設定した。

それが、題して「勝手に観光大使プロジェクト」である。

まず、観光大使とは何かと言う話からした。

簡単に言うと、その地域や街の事、その地域や街の良さをPRすることを任されている人たちであるということである。

というわけで、今から皆さんを益子町の観光大使に任命します!!
と、勝手に任命した。

勝手になのでオッケー。

子供たちは、またこの先生、よくわからないことを言い出したぞというような表情とワクワクした気持ちがにじみ出て表情が入り混ざっている。

そこで、少し説明を付け加えた。

要は、みんなのPRを見たり、聞いたりした人たちが「え!今度休みの日に時間があったら、益子に行きたいわ!」「え!次の休みは、益子に旅行に行きたいわ!」と思わせちゃおう!と言うことだよ。と伝えた。

さぁ、そのPRをするためにどんな方法が思いつく?と問いかけると、

ポスター!

パンフレット!

CM!

スライド資料で、プレゼン!!

などが上がってきた。

このリアクションから、PRするということがどういうことなのか伝わっているなぁと感じたので、話を続けた。

班のメンバーで、どの方法を使っても良いから、遠足から帰ってきたら、皆さんは益子町の観光大使として益子町の魅力をPRしていこう!!と改めて最終ゴールを伝えた。

僕の予想は、ここで子供たちが乗り気になり、より益子町について詳しく知りたいと思うスイッチが入るのだろうと思っていた。

しかし、その予想は裏切られた。(良い意味で)

PRといっても、できた制作物を教室に掲示するか、来年行く2年生に届けるかくらいしか私は予想していなかったが、子供たちから思いもよらぬリアクションが返ってきた。

「だったらさぁ、どうせだったら、益子町にポスターを貼ってほしい!」
「どうせなら、益子町の人に見てほしいし、聞いてほしい!!」と。

正直驚いたし、何よりもこっちがもっとワクワクさせられた。

全く知らんけど、「めっちゃいいじゃんやろうぜ!!」とGOサイン。

どうにかして、送りつけてやればいいと思った。

そのために本物でないといけないこともちゃんと子供たちに伝えた。

益子町の観光協会っていうところに、送ってみようか!でも、観光協会の方々はお仕事で忙しいから取り合ってもらえないかもしれない。何より、みんなのPRのレベルが小学3年生レベルだったらきっと取り合ってもらえないだろう。

つまり、「わー遠足に来た3年生ががんばったね。」では相手にしてもらえないよ?

「え?これ本当に3年生が作ったの?このレベルだったら、ぜひ益子町のために、ポスターや、スライド資料、CMやパンフレットを活用したいです!!」と思ってもらえるようなレベルでないといけないってこと。

それでもやってみようか?とちょっとばかりプライドをくすぐってみると、一気に燃え上がった。

そんなこんなで、最終的なアウトプットは、

益子町の観光協会の方々を(本物の大人)を驚かせるPRをしようになった。

ちょっとばかり心についた火を見逃さず、燃そうだなと見れば、一気にそこにガソリンを投下したイメージ。

いちど火がついたら、後は子供たちが勝手に走り出すものだ。

僕は、その火が決して消えることがないようにフィードバックとい
う名の薪をくべ続けるだけだ。応援者の立場として。

そして、益子町について詳しくなるための作戦を考えた。

まず、どうやったら詳しくなる?と聞くと、調べる!と。

どうして調べるの歌を聞いてみると、楽しめるから帰ってきた。

本題からそれてまじでどうでもいいが、この子たちは、ライブやフェスを楽しむ才能があると思った。

アーティストの曲をあらかじめ耳に入れといたほうが、ライブやフェス
は楽しめるものだから。(笑)

話を本題に戻すと、調べる意図はもう一つあると思っている。

それは、新たな疑問を持つこと。

全く何も知らない状態では、いざ益子町に行って何を見て、何を聞き、何を感じてくればいいのかが全くわからない。

しかし、事前に知識を入れておくことで、調べた内容から疑問が生まれてくるのである。

つまり、より深いレベルでの疑問を持つために調べるのである。

そのことを子供たちに伝えたら、一気に調べる熱があり、図書室に行くもの、タブレットを開けるものなど様々な手段で調べ始めた。

この調査の時、子供たちは調べれば調べるほど情報と情報がつながっていく事をものすごく楽しんでいた。

そして、自分たちが当たり前に思っていたことが覆されるという驚きにまた楽しみを覚えていた。

「益子町ってもともと村だったらしいよ!」

「益子町の登り窯って、温度を一定に保つために、だんだんの構造になっているんだって」

「何千度にもなる熱で焼いているらしいよ」

「人間国宝の浜田庄司さんが益子焼を始めたわけじゃないんだって!」

「茨城県で生まれた、大塚さんて人が益子にいい土を見つけて、そこで陶芸をやろうとしたんだって!」

「それで有名になった益子焼も、アメリカとかに送ってたんだけど、たくさん作ろうとするあまり適当になっちゃって、品質が落ちて、一度信用を失ったらしいんだよ!」

そんな情報がどんどんどんどん増えてきて、情報と情報がつながり、発見に喜び、そして、仲間が発見したと言う情報があれば、すぐにそこに集まって、「まじかよありがとう!」などと言い合いながら、感謝しあいながら、知識を僕が想像する以上のスピードで増やしていった。

その主体的な調査の雰囲気がとっても素敵で、僕よりも圧倒的に益子に詳しくなっていった子供たちだった。

さぁ、その上で当日益子町に足を運んで何を見て何を聞いて何を感じてくるのかとても楽しみである。

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