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【自分を見捨てないことが大切だと思う理由】


「自律」の視点から。これから自分の足で人生を歩んでいく子どもたち。そのために自律はやっぱり欠かせない。「1人も見捨てない」の「1人も」の中には、「自分」も含まれている。自分を好きになるとか、自分の力を信じることとか、その気になれば頑張れることを大切にしてみるとか。要するに自分を大切にするという「自己肯定感」の側面がある。もう一つの側面は「自己調整」の側面。夢や目標があったとして、そこにたどり着くにはどのような道があるのか逆算し、自分の得意不得意を紙して進む道を選択して、歩む力。この2つもこれからの人生で幸せに生きていくために欠かせないと思う。

 学校生活の中で、自分を見捨てないってことっていくらでもできる。

 「自己肯定感」の側面でいうと、最もすぐにかつ簡単にできることがある。それは、挨拶をするとか、話を聞くときに相槌を打つとか、時間を守るとか。その気になればできることってたくさんある。いきなり50メートル走を2秒で走れっていったって難しい。でも、挨拶とか、相槌とか、時間とかはその気になればできる。それも自分を見捨てないことだと思う。

 確かに今あげた挨拶とか相槌とか時間とかがとっても苦手な仲間もいて当然。今言いたいのは、自分がその気になればできることは、当たり前にやれる習慣をもつことの話。その内容はこの際なんだっていい。
 その気になればできることをやり続けると、「こんなにも続けたり、当たり前にできたりする自分ってなかなかすごいかも?」と思えるようになると思う。

 だってその先はもっともっと厳しくなると思う。だからその気になればできるからまず始めて手を付けたらどうかなって思う。

 どんな簡単なことでもいい。モチベーション的なものもそうだけど、いきなり湧いてくるものではないから。小さな成功体験の繰り返しで、あるとき周りから認められて、それで火が灯る。だからなんだっていいと思うけれど、その気になればできることに挑戦するっていうのは自分を見捨てない第一歩かなと。自分を好きになることも、自分を信じることも始まりは小さな成功体験かなと。

 授業終わりの振り返りを2行くらい書いてみて、それを偶然先生に「自分の言葉で、授業のことを友達との関わりを踏まえながら書けるなんてすごいね!」ってコメントをもらって、授業で紹介されたとして、そこにちょこっとの成功体験が生まれる。自分ってできるのかもって。でもそれはその子がその気になればできることに取り組んだからに他ならない。

 その他にも、なんかちょっとノート配ってみたことが、「周りのためにありがとう!人のことをまず大切にできる温かさをもった人なんだね」なんていってフィードバックされると、「自分って人ために何かを届けることができるのかも」って思えたりする。

 こういった積み重ねが自己肯定感的な側面の「自分を見捨てない」なんだと。

 もう一つの自己調整的な側面でいうと、テストとかがわかりやすい。金曜日の朝に漢字の小テストがある。そこにまずは目標をもつわけ。「100点とる!」とかそういったもの。そのために1週間をどう過ごすかを考える。自分で漢字練習しようかとか、国語辞典で調べようかとか、ドリルを見直そうだとか、漢字音読をしようだとか。それぞれの方法で、思いつかなければ先生がいくつか与えた選択肢や、友達がやっていることを真似してみて、漢字テストをむかえる。やってみて、「80点」。目標までもう少し。ドリルではたくさん確認したけれど、意味がわかってないから覚えきれなかったことに気がつく。そして次の週は、辞書を使って意味まで理解することに挑戦してみる。すると結果は「90点」。あともう少し。今度は、「はね」のところを「止め」で書いてしまった。漢字の形をしっかり把握することが足らなかったので、次の週は漢字ノートに大きめに漢字を書く練習することに・・・。

 これは一例にすぎないけれど、自己調整ってそういうこと。

 やってみて、ふりかえって、改善して、計画し直して、やってみて・・・。俗にいうPDCAサイクル。

 もっと深掘りすると、自分は図書室の静かな場所が勉強に集中できるとか、友達とワイワイ聞きあいながらの方がいいとか。そういった学び方や場所にまで自己調整はおよぶ。

 自分も何か勉強するときに、音楽を聴きながらとかはまずできない。そして、静かすぎるとなんだか落ち着かない。結果スタバをよく使う。
 じゃあ近くにいる大人は何をすればいいのか。自己肯定感的な側面、そして自己調整的な側面で「自分を見捨てない」を促すために。

 簡単にいうと3つだと思う。

 一つ目は、子どもをよくみて適切なフィードバックをすること。「存在」を認めて安心感を与える点と、「貢献」を認めて特別感を満たす点。

 二つ目は、余白の設計。何でもかんでも手を加えすぎず、自分自身で試行錯誤できる余白。

 三つ目は、失敗が許される環境を提供すること。小さな成功体験を生む挑戦も、PDCAサイクルも。失敗してもなんとかなる、失敗こそが学びだという文化を創造がマスト。

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