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どのようにすれば、気づきを行動に移すことができるのだろうか
2014年、前触れもなく沸き起こった疑問から、研究をひっそりこっそり始めた。一年ぐらい研究と対話を繰り返し、答えが出て満足していた、当時は。いろいろな人にも話をして、共感してもらえた。
しかし2016年、突然全く違う答えが顕れた。研究とは関係ないところから扉が開いて、答えが訪れた。その時については、『(第1回)私は扉でありたい』の「扉になりたい」でふれた。
仕事の説明資料として2016年当時書いた内容を、言葉遣いなどをアレンジして(固すぎる文章だったので)、改めて書き直してみることに。その後に綴った「私の説明書」(第1回から第7回まで)より文章は粗いが、当時の心境をそのまま残して書いてみる。
< 目次 >
(問い)どのようにすれば、気づきを行動に移すことができるのだろうか。
(答え)安心安全な場をつくること。
(研究テーマ) どのようにすれば、気づきを行動に移すことができるのだろうか。
「多くの人が気づきを行動に移すことができたならば、社会はどう変わるだろうか」
「行動に移せないことで頭に漂うモヤモヤから少しでもはれたならば、その人は活き活きした生き方を歩めないだろうか」
2014年からだっただろうか、マネジメントの研究を始めた。それまでも経営学などマネジメントに関連しそうな本はいろいろ読んできた。その中には、心理学に関係する本もあった。元々心理学には関心があった。行動経済学や教育心理学に関する本を読み始めると、知らなかったこと、感覚ではわかっていたことが文字からわかると、面白くなっていった。すると、ある疑問が起こり、思索・探究を始めた。
SNSや人との会話で、「いいね」と共感してもらうことは誰にでもある。共感の声が多いと嬉しくなる。しかし、共感から実際に応援や支援につながることはあまりない。私自身も共感してもらっても行動してもらえないことがたくさんあった。また逆に、私自身共感はできても行動に移せないことがたくさんあった。
昔から「行動に移す/移さないという差は、どこからくるのだろうか」ということに、興味はあった。今までとは違う(真逆の)行動に移した人に、必ずといっていいほど訊くことがある。今でもよく訊く。
「そのような行動を起こすきっかけは、何でしたか。」
「なぜ、その行動をとったのですか。」
いろいろな問いや答えが重なり合い全体でつなげてみると、人の心理に行動に興味が起こった。そこで、行動に関する心理学をテーマに、研究を始めた。当時の答えは、次の図だった。
頭でわかって、心でわかって、身体でわかって、行動に移す。
(テーマの答え) 安心安全な場をつくること。
「レジリエンス」「アート」「信頼」「マネジメントとリーダーシップ」「これからの新しい資本主義と経営」「統合報告とインパクト評価」「心理」
2016年、私の中にいろいろなキーワードがやってきた。これらのキーワードは、つながっている言葉もあれば、つながっていない言葉もあった。つながりそうでつながらないことのもどかしさから、これらの言葉をすべてつなげる言葉を探した。10月に出会ったアーティスト(作家)の言葉で、すべてがつながった。私の人生のテーマともつながった。
「アートが社会にできることは何だと思いますか」
「“安心安全な場”をつくることだと思います」
この “安心安全” いう言葉は何十回も聞き、また私も何十回も話したことがある。にも関わらず、この言葉を聴いた瞬間、強烈に心を揺さぶられた。いろいろな言葉や問いが頭の中を駆け巡り、そしてあることに気づいた。
私が社会に創りたいのは、「安心安全な場をつくる」こと。
「安心安全」は、社会だけでなく人にも組織にも、誰にとっても今一番大切なことだと気づいた。「安心安全」が、私の研究テーマの答えだった。
「気づいたことを行動に移すことができたならば、社会はよりよくなる」と信じている。しかし実際は、私も含めて気づいたからといって、行動に移せるとは限らない。そこで行動を妨げるものが何かを思索し、答えはすぐ見つかった。
行動を妨げるのは、「不安や恐れ」など。
一歩踏み出そうとしても不安の前で足がすくみ、立ち止まることはある。不安を取り除くまたは対処可能な状態になって始めて、行動に移すことができる。不安を完全に取り除くことができればいいけれど、それはなかなか難しい。あることに対する不安は取り除けても、別の新しい不安な気持ちが起こってくるから。不安は途切れることなく、襲ってくる。ならばどうするか。
不安をなくすのではなく、“安心安全な場”をつくって行動してもいいと思えること。
失敗しても戻れる環境を用意することが、これから重要になってくる。一歩踏み出すこと以上に、一歩戻れる場があることが大切になる。