ウサギとカメから学ぶ本当の教訓
昔話には、今の時代にも生かせる本質・原理原則が隠されています。今日は、昔話の中から、ウサギとカメをとりあげて、この物語の教訓について話したいと思います。
実は、ウサギとカメの物語には隠されているもう1つの教訓があります。2つの教訓から原理原則をお伝えしたいと思います。
ウサギとカメの物語を簡単におさらい
イソップ物語のひとつ「ウサギとカメ」。日本には室町時代以降に伝わったとされていて、江戸時代初期に発表された翻訳本『伊曽保物語』によって広まることとなりました。明治時代になると教科書にも収録され、普及していきます。
---物語---
あるところに、足の速いウサギと、足の遅いカメがいました。ウサギに馬鹿にされてしまったカメは、山のふもとまでかけっこの勝負をすることを提案します。
ウサギは、自分が負けるわけはないと笑い、いざかけっこを始めるとどんどん先へ進んでいきます。あっという間に引き離し、カメの姿が見えないところまでやって来ました。余裕で勝てると思ったウサギは、休憩がてら居眠りを始めます。
一方のカメは、その間も着実に歩みを進めていました。
そしてウサギが目を覚ますと、そこにはすでにゴールをしているカメの姿があったのです。
---物語終わり---
以上が、ウサギとカメの物語になります。
この物語からどのような教訓を学ぶことができるのか?話していきたいと思います。
ウサギとカメから学ぶべき2つの教訓
ウサギとかカメの話から学ぶべき教訓が2つあります。
教訓①:能力が低くても、愚直に努力をすることで能力が高い人
1つ目の教訓は、自分の能力が低くても、愚直に努力をすることで能力が高い人を超えていけるということです。ウサギは、物凄く能力が高いが自分の能力に溺れてしまい、謙虚な姿勢を忘れて努力を怠ったために負けてしまったということです。
自分がもう大丈夫、完璧だ、と思った瞬間人間の衰退が終わります。世の中は諸行無常であり、常に変化しています。つまり人間も常に変化しているということなので、自分が常に努力を重ねて進化し続けないと、すぐに他の人に追い抜かれてしまうということです。
まとめると、「努力に勝る天才はいない」ということです。
教訓①については多くの人が知っているかと思います。実はもう1つ隠された教訓がこの物語には隠されています。
教訓②:目的(ゴール)を明確にすることの重要性
もう1つの教訓とは、目的を明確することが重要であるということです。
カメには、明確な目的を持ちコツコツと努力を重ねていました。その一方でウサギは目的を持たず、隣ばかり、周囲ばかりを見てしまっていました。
つまりどういうことかというと、ゴールを明確にして、周りに惑わされることなく、ゴールを見て努力を重ねることが大切だということです。どこを見て進むかによって、全く違った結果になるということです。
自分があいつより劣っているから、勝っているからどうすると、まわりの他人と比較して、自分の行動を判断することは全く本質的ではありません。他人と比較して自分はどうするではなく、自分の目的・目標と今の自分の現状と比較してどうなのか?どうすれば目的を達成できるか?が本質的であるということです。
これは人生のゴールを明確にすることの重要性を解いています。自分がどうなりたいのか?どういうスキルを身に付けたいのか?どういう人になりたいのか?どういうことが幸福なのか?を明確にする必要があります。そして、自分の目的と今を比較してどうするべきなのか?を考えて日々努力する必要があります。周りの目や周りの人と比較しても、絶対に自滅します。
これが、2つ目の教訓、目的を明確にすることの重要性でした。
まとめ
イソップ物語の歴史を振り返ると、ヘロドトスの『歴史』では、紀元前6世紀にアイソーポスという奴隷がいて寓話を使いその名声をえたとされていまします。
つまり、イソップ物語は2000年以上も前から読まれているということです。今でも多くの方にこの物語が読まれているということは色あせない名著ということだと思います。
人間が生きていく上で、必要な原理原則はこういった物語からも学ぶことができます。ぜひ、一度本屋さんで手にとって読んでみてください。そこらに積まれているビジネス書よりももっと深い学びを得ることができるかもしれません。