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#23.免疫療法

治療は主に標準治療を主に行っているが、同時に免疫療法も行っている。

2018年のノーベル医学生理学賞に選ばれた京都大学 本庶佑名誉教授の免疫チェックポイント阻害剤「ニボルマブ(商品名オプジーボ)」の記憶が真新しいが、これも大枠で言えば「免疫」を使ったものであり、今は免疫療法がスポットライトを浴びていることは間違いないと思う。

ただその一方で免疫療法は昔からあった治療法でもあり、現在でも代表的な「活性化自己リンパ球療法」等は医学的な効果に対するエビデンスはないし、自費診療であるが故に医療費はとても高額。

また気を付けないといけないのが『悪徳な民間療法』についてだ。いわゆる『がんビジネス』という言葉がある様に、治療の選択肢がなく「がん難民」と化した患者が行き場を失い、最後にたどり着くのが治療成果のエビデンスが全くないのに、あたかも「がんは治る」「寛解する」と謳って誘い、多額の医療費を請求する悪徳な医療機関もある(勿論、全てはないと思うが…)

国立がん研究センターの資料でも以下の通り記載がある。

臨床での研究で効果が証明されている免疫療法は、「がん細胞などが免疫にブレーキをかける」仕組みに働きかける免疫チェックポイント阻害薬などの一部の薬に限られ、治療効果が証明されているがんの種類も一部に限られています。以前から研究されているほとんどの免疫療法(広義)は研究段階で有効性(治療効果)が証明されていません。

また以下の様な記載もある。

現在、効果が証明され、診療ガイドラインに記載されて標準治療となっている治療方法は、大きく次の3種類に分けられ、この後に示す(1)〜(3)に記載されている方法に限られます。(ただし(2)(3)には、国内の診療ガイドラインへの掲載の検討がなされている新しい薬や、新たに保険診療として認められたがんの種類も掲載しています。)

1) 体内の免疫(T細胞など)の活性化を持続する(ブレーキがかかるのを防ぐ)
方法:免疫チェックポイント阻害薬
2) T細胞を体外に取り出してから、がん細胞の目印を見分ける遺伝子を入れて
増やしてから体に戻す(アクセルを強める)方法:CAR-T療法
3) 体内の免疫を強める(アクセルを強める)方法:BCGなど
                     
                     参照:国立がん研究センターHP

「がん」と診断され、標準治療や他の治療も効果がなく進行が進むだけになると、藁にもすがる気持ちでそういった「がんビジネス」に引っ掛かり、高い医療費を払ってしまうことが多いと思う。

その一方で、私はそう言った情報は事前に知っていたし、『自分は絶対にそういったものには引っか掛らない』と思っていたものの、いざ自分がそういった立場になると、そういった「がんが治る」という甘い情報が非常に魅力的に感じてしまう。

『この治療をやれば「がん」は治りますよ』
『この治療をやった末期がん患者は寛解し、今は元気に過ごせています』

そういった言葉は、治療の選択肢がなくなったがん患者にとって、本当に強烈な誘惑となると心底思った。

極端な話、医学的なエビデンスがある標準治療を最初から拒否し、怪しい民間療法でがん治療を行う人もいるくらいだ。


私は2019年1月に私が働いている会社の人事からの紹介で「地元で評判の高い免疫療法クリニック」を受診した。

その後、自分でも調べて「免疫療法を行っている病院」を探し、2〜3軒のクリニックから話を聞いたが、最終的には当初会社から紹介を受けたクリニックで免疫療法を行う事を決めた。

Twitter等を見ても標準治療と並行して「免疫療法」を行っている方も多い。

広義に言えば『免疫力を高める」ことはがんに限らず病気全体の治療において大切なことだと思うし、少なくても『延命の効果』『QOLの向上』には期待できると考えている。

ただ自費診療になるので、経済的な負担は大きい。

私は妻が少しでも『がんの進行を遅らせ、少しでも長生きして欲しい。「長く生きれば活きる程、医学的なエビデンスのある治療法がきっと出てきて、妻は助かる」と信じ、免疫療法を行うことを決めた。

記事を通じて、少しでも誰かのお役に立てればと思っています。