#173.妻が伝えたいこと
今日は午前中に訪問看護師さん
そして在宅医の先生に来てもらい
午後から訪問入浴を行った。
在宅医の先生に
先日から気になっている
妻の徐脈(脈拍が遅いこと)について相談した。
回答としては
『確かに脈拍が遅くなっていることは確かですが、SpO2が100程度で推移して、しっかり酸素が取り込めているのであれば大丈夫です。脈拍というよりも呼吸の方が気になります。脳腫瘍の拡大が呼吸中枢を圧迫して、呼吸が止まることを一番心配しています』とのこと。
訪問看護師さんには別の質問をしてみた。
恐らく訪問看護師さんも、色々な訪問看護の利用者を診てきているので、今の妻の状態から今後どのような事が予想されるのかということ。
訪問看護師さんは言い難そうではあったが
『最近は呼吸が浅くなっているような気がします。それと一昨日は尿量がいつもより少なかったです。呼吸が浅くなるということや尿量が少なくなってくると、残りの時間は1週間から10日前後の利用者さんもいます。ただ昨日の尿量はいつも通りでしたし、SpO2も安定しているのであれば、もう少し頑張ってくれるかもしれません。私としては6月の1週目を超えれるかどうかだと思います』
そんな話だった。
確かに私としても、妻は呼吸が浅くなっているような気はしている。
ただ今のところはSpO2は安定し血圧なども問題はない。
緩和ケア病院からも
呼吸が止まる可能性が高い、と言われていたので
確かに脈拍よりも呼吸の方を注意しておかないといけないのかもしれない。
今後、徐々にSpO2も低下していく可能性は十分にあるだろう。
在宅医の先生、訪問看護師さんとの話を終え
妻の残り時間について考えていた。
そしていつも通り
妻の側で話しかけていたところ
なんと今日は
少しではあるが妻が目を開けていた。
私が『どうした? 何か言いたいの?』と聞くと
妻は何か話しをしたそうに
口をパクパクさせており
同時に瞬きもしていた。
妻は私に何か伝えたかったんだと思う。
ただちょうどその頃に
訪問入浴の時間が来てしまい
妻とその時間を長く過ごすことができなかった。
ただ確かに妻は私の声や言葉を理解し
何かを私に伝えようとしていたと思う。
それが正確には何か分からなかったが
今、妻は生きている
その思いと
なぜこんなことになったんだろう
そんな気持ちで
涙がでた。
今後はもっと辛い現実が
私たち家族を待っているのかもしれない。
その恐怖はあるが
少なくても
妻が『今』を生きている限り
できることを全てしてあげたいと思う。
記事を通じて、少しでも誰かのお役に立てればと思っています。