世界が愛した伝説のチョーク
”羽衣”というチョークをご存知でしょうか?
今回は世界に愛されながらも、姿を消した伝説のチョーク『羽衣チョーク』の魅力をお伝えします。
若い人は、羽衣チョークを知らないという人も多いと思います。なぜならそのチョークは、2015年に廃業し、日本から姿を消したからです。
その伝説とも呼ばれるチョークを作っていた羽衣文具が廃業するというニュースは、当時日本全国にとどまらず、世界にも衝撃を与えました。
おそらく教育界では、鬼滅のロスよりも福山雅治の結婚ロスよりも歴史に残るロス事件だったと思います。それほど、いいチョークだったのです。
この動画では、世界の数学者たちが、いかに羽衣チョークが優れているのかを熱弁しています。
スタンフォード大学数学科のBrian Conrad教授は、羽衣文具の廃業を受けて15年分の羽衣チョークを購入してストックしたそうです。
また、UCバークレーの世界的な数学者、アイゼンバッド教授は、東大でこのチョークに出会って以来愛用していたと言います。
そんな名だたる数学者を虜にしてきた羽衣チョークは、海外の数学者の間では、「チョークのロールス・ロイス」と称され、「羽衣チョークで計算ミスをするのは不可能だ」というジョークが生まれるほど羽衣チョークの評価は高かったといいます。
また、優れているのは、その書きやすさだけではありません。その発色の良さも優れています。
以下はtiwtterから拾ってきたものです。
このように羽衣チョークは発色がよく見やすい文字を書くことができます。
天神チョークも発色はよいのですが、このツイートでも折れやすさよデメリットを指摘しています。
一方羽衣チョークは天神に比べ折れにくいほどよい硬さがあります。
折れにくく、書きやすく、発色が良い、この三拍子が揃ったチョーク。それが羽衣チョークなのです。
では、なぜこんなにも素晴らしいチョークが日本から姿を消したのか?
それは、経営が厳しくなったからです。ホワイトボードが普及して、チョークの需要が少なくなったことや、障害者の働き方を追求し日本一幸せな会社といわれることで有名な「日本理化学」との価格競争に対抗できなかったからだと言われています。
そして、世界から惜しまれながらも88年間伝説のチョークを作り続けていた羽衣文具は廃業することになりました。
しかし、そんな素晴らしいチョークを無くしてはいけないと、実は一人の人が立ち上がりました。
韓国の予備校の先生が私財を投げ打って羽衣の機械を買取り、韓国に工場のラインを作ったのです。
今は韓国からの輸入という形で羽衣チョークを手に入れることができます。
当時のチョークを知る人からすると若干の違いはあるそうですが、滑らかな書き心地や発色の良さ、そして折れにくさは多くの人を魅力しています。
値段が高くなってしまったのが痛いのですが、このチョークを使うことで今までとは違った授業を体験できることと思います。
チョーク界のロールスロイス。
あなたも一度手にしてみませんか?
そして、いつかもう一度、羽衣チョークが日本で復活する日を一緒に夢見てみませんか?