見出し画像

エッセイ:大ちゃんは○○である54

いざ着替えてみると、客観的には滑稽な姿でも
嫌な感じは全くしなかった。
むしろ、『現場の一員になれた』と嬉しかったぐらいだ。
全員が着替え終わり待っていると、スタッフが声をかけにきた。
「皆さん、お待たせしました。もう着替え終わってますね?
では、体に血のりを塗らせていただきますので、ついてきて下さい。」
移動した先の別室では、顔や体にこれでもかというくらい血のりを塗られた。
地獄というとどんなイメージを持つだろうか?
悪いことをした人が閻魔大王の審判により送られるところ?
仏教の世界においての地獄の定義みたいなものを昔読んだことはあったが、
僕のイメージでいくと、地獄に堕とされた者たちが鬼たちにひたすら虐げられる世界で、
終わりのない苦しみが続くイメージだ。
例えば、無数の針の上で正座させられ、
太ももの上に一枚づつ石板を積み上げられていったり。
例えば、目の前にたくさんの石を持ってこられて
「全部積み上げることができたなら天国に行かせてやる。」
なんて甘い言葉をかけられて、
頑張って積んでいたら、あと一個というところで鬼がやってきて
無惨にも崩され結局終わることがなかったり。
例えば、煮えたぎる大鍋の中に入れられて、
泣いても叫んでも助けてもらえず煮えられたり。
まあ要は救いのない、とんでもなく辛い世界というイメージだ。

つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?