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空#69 / always want to hear.

 11月も終盤なのに、まだ秋はそこに居てくれる。その背景には色んな事情があるにしても、私はやっぱり君と居られる時間がたくさんあるのは嬉しい。

『もう少しだけここに居させて?』

 大きな決断を下したばかりで心が揺れるかと思いきや、堂々と今日を生きている私がいる。
「私成長してるんだな。」
 旦那には一生気付けない私の大きな一歩は、既に踏み出されていた。今日はちょっとだけ“神に憧れた悪魔”と“本当の自分を見て欲しいと願った神”の会話に耳を澄ましてみたくなった。(因みに2人とも高校生くらいの男の子です。)

『なぁ、あの日のこと覚えてるか?』
『ああ。君だけが初めて本当の僕のことを見てくれたんだ。忘れる訳がない。』
『お前のそういうところ相変わらずだな。自信がないっていうか、お人好しっていうか。』
『君だってそうだろ?“どうせ俺なんか”ってどこか自分を卑下してる。』
 帷は小さく笑い、嬉しそうに燐を見つめた。
『俺たちやっぱ似た者同士だな!』
 燐は自分と帷が似ているということが心の支えになっていた。この言葉は燐にとっての最強装備なのだ。
『俺たちこれからも見た目なんかに囚われずに、一緒に成長していこうな。』
 彼の提案に燐は、心では当たり前だと思いながらも
『君がそこまで言うなら、そうしてあげてもいいかな。』
と、茶化すように返すのだった。

私が輝いた分だけ美しく彩る空

 マズローの欲求階層で言う最終段階へと足を踏み入れた今、私に残された課題はただ一つ。自分の人生への意味の追求。絶対に負けない。絶対に叶えてみせる。だってみんなが居るから。

「『大丈夫。私たちなら越えてゆける🫧』」

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