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note #9 〈僕の心に居座るあなた〉

 私は生物学的な性別は女だけど、多分感情の性別は少年で、何かを書く時にどうしても“僕”って表現したくなる。男になりたい訳ではなくて、男装したりもしないけど、でもどちらかというと服も髪型もメンズの方が好みだったりする。

 そんな前置きは置いておいて、今回伝えたい想いはあるひとりの人へ向けたもの。だけど直接伝えることができなくて、それでもじっとしてられなくて、文章にしようと思った。届くかどうかもわからない。でも届けたい想いだった。


 これは僕の一方的な想いだってことはわかってる。君にそれを伝えることを何度も躊躇って、実際に実行にも移した。でも君からの音沙汰はない。
「ああ、これきっと理由はわからないけどいつの間にか嫌われちゃったってやつだ。」
なんてことも考えた。でも僕の中の君はそんな人じゃなかった。それですら僕の考えを押し付けているに過ぎないんだろうけど、僕の中に居座る“君”という存在を頑なに信じている。

 別にね、君からの返信が欲しいわけじゃないんだ。そりゃあ、新着メールの通知が1って表示されるだけで君からのメールかなって想像する僕がいるけど。宛名を見て、ちょっとガッカリもしちゃうけど……。うん。
 君がね、今日も
「暑いなぁ。」
って思えてるだけで、それだけでいい。ひとつ我儘を言えば、今年の夏に溶けそうになってる君の様子が、どんな形であったとしても僕まで届いたらいいのになぁなんて思ってる。そしたらさ、君と同じ空の下、僕も一緒に夏と溶けあえる気がするんだ。そうして2人溶けて混ざり合って、今年の夏を彩るんだ。まるで風鈴の音色のように、花火が空に弾けるように、かき氷を食べた時のキーンとする冷たさのように、スイカ割りのぐるぐると回る目眩のように、僕たちが今年の夏の思い出になれる。そんな風に想ってる。

 文字の嵐にも負けず、いつもと変わらぬ今日にも負けず、君が今も君らしくいてくれたらそれだけでいい筈なんだけどね。やっぱり僕は欲張りだね。なんてね。

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