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15-仕事が出来なくても、愛される価値はあった

【前回のお話】

(1110字・この記事を読む所要時間:約3分 ※1分あたり400字で計算)

 「さ よ う な ら」

 静かにこの一行を打った後、送信ボタンを押した。


 携帯をそこらへんに乱暴に投げつけ、そのままベッドに仰向けに倒れた。

 もう何もかもが全て面倒くさい。


 (さて、これからどうするか……明日からでも仕事をすっぽかして、あるだけのお金を集めてどこか遠くに行こうか……)

 ぐるぐる考えていると、頭がボーッとしてきた。
 瞼がゆっくり落ち、うとうとしかけところーー


 床に落ちていた携帯がけたたましく鳴り始めた。


 メッセージ受信。
 メッセージ受信。
 メッセージ受信。
 メッセージ受信。
 メッセージ受信。
 メッセージ受信。
 メッセージ受信。
……


 何事かとびっくりして身を起こすと、今度は電話の着信音が激しく鳴った。

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