語感の言語化練習#2〈腐心〉
腐心(ふしん)
(主観):「心を腐らせる」あるので心理的なニュアンスを感じさせる。ものすごく精神的な労力を使うが、その目的は何か肯定的なものへの達成である。「使い方の分かる 類語例解辞典」(小学館)を見ると「「腐心」は、「日夜政界浄化のために腐心する」のように、「苦心」よりも時間的にも規模の上でも大きくて解決が難しい問題について悩むこと。「…に腐心する」の形で用いることが多い。」とあり、確かに組織のような集団的な文脈で使われることが多いように思える。個人的なことには使いにくい。「自叙伝の完成に腐心した」というよりかは「自叙伝の完成に苦心した」のほうが適切に響くか。
外国語訳
英語だと、pay off の訳語になりえるのが興味深い。
一般的には struggle to do が対応するか。
研究社の新和英大辞典には次のような例文もある。
ロベール仏和にあった
のような表現を見ると、個人的なことにでも腐心できそうだ。この場合「利益を得る」に伴う労力が大規模であるから違和感を感じないのか。必ずしも前向きなニュアンスがあるわけではなさそうだ。soucieux の一番最初の訳語が「心配する」なので勘違いしてしまうが、「〜したらどうしよう」と言う不安の意味のほかに「気になっている」という意味合いがあることを押さえておくべきかもしれない。
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