noteで有料記事を買うようになって起きた、自分の課金意識の変化など。
私がnoteさんにアカウントをとったのは、ずいぶん前です。
自分の一番古い記事が2014年4月11日付けで書かれていたので、6年前からのユーザーということに。(現在は非公開です)
そもそも有料の記事が書けるプラットフォームということで興味を持って、試用のためにアカウント取得したのだったと思います。
その初期にも有料の記事を買ってみるテストは自分なりに行いました。
でも、その頃にはまだ今よりも記事数が少なくて、自分にとって課金してでも読みたい記事がそんなにたくさんは無かったのでしょう。noteの利用はすぐやめてしまいました。
それから6年が経って、また改めてnoteの試用に戻っているのです。
その理由としては、長年、自分の趣味として眺め続けているネット小説(昔はオンラインノベルと呼ばれていて、今はWeb小説と呼ばれているようです)の界隈に、作品の課金販売の準備をする時期がやってきていると感じているせいです。
なので偵察に。
ネット小説の収益化はもうずっと前から仕組みとしてはあったのです。広告を表示して、そこから収益を得る形で、一部の閲覧数が多い作品では、それなりに儲かっていたようです。
それはとても良いことです。ネットの小説は今ではスマホがあれば、いつでも、どこからでも、誰であっても書けますし、それが収益につながればクリエイター支援にもなります。
しかしそれがページビュー(閲覧数)=広告表示回数に準拠した収益化ですと、当然ながらPVを稼げる小説が儲かるということになり、書き手さんはPV稼ぎに注力するようになります。
売れ筋至上主義のような?
それは従来の紙の出版物でも根本的にそうなので、今さら何も問題ではないのですが、私にとってネットの小説の面白さはニッチなところにもありました。
なんか変とか、これ誰が読むねんていう謎なものとか、そんなに大勢が支持しないとしても、私は大好きなものを書いてくれる人が、ネットには昔から大勢いたような気がするのです。
そういう作品を支援するには、閲覧数(読者数)の多さに準拠するシステムでは足りないだろうなと思い、個々の作品に読者さんが直接、課金するとか、作品自体を買うのではなく、それを書いている作者さんの生活を直に支援しちゃうようなパトロンシステムがあったほうがいいな、と思っています。
幸い、そういった仕組みの開発は、ネット上でいくつかあるのですが、noteさんもその最も有力な一候補と思って見に来ています。
noteさんで課金してみました
noteで課金してみたら、どんな気持ちになるのかと思って、有料の記事も無料の記事も分け隔てなく読んでみています。
自分がnoteで使ってよい資金を、バーチャルクレジットカード「Kyash」に入金して登録してありますので、その残金が尽きない限りは、有料の記事でもワンクリックで課金して開くことができます。
一度設定すれば特に手間はかかりません。コンビニのATMから入金できるので、Kyashの残高がなくなったら、コンビニに寄ったついでに簡単に入金することができ、手軽です。
それで、読んでみてどうだったか?
一記事あたりに100円、200円ていう金額が設定されているものを読むときは、正直ちょっとしんどいです。
「この記事には100円の情報価値があるのか?」
というのを一瞬、割と深刻に考えてしまいます。
でも記事の価値ってどれくらいなんでしょうね。
そんなものど素人である自分にわかるわけないじゃないですか?
判断できません。
なので、「読もうかどうしようか?」「読みたいけど100円払ってでも読みたいほどの価値か?」なんて思い始めると、全然読みません。
そういう自分の課金意識が変わったなと明確に感じたのは、2回ありました。
(1)サポート課金したとき
(2)定期購入マガジンを買った時
(1)のサポートはいわゆる投げ銭の機能だと思うんですが、面白かった記事を書いてくれた筆者さんに「お疲れ様でした」という労(ねぎら)いの気持ちでコーヒー一杯分の金額(500円)を送ります。(金額は100円〜で任意です)
「お疲れ様」とコーヒーを差し出すというイメージが、自分にはすごくしっくり来ました。納得できるというのでしょうか。
記事の価値が何円かという判断ではなくて、この人にコーヒーを差し入れたいかどうかで判断すればいいので、私にも簡単です。
がんばって記事を書いてくれた人にコーヒーぐらい出したいなと思えばYESだし、自分の気持ちがまだそこまででもなければNOです。(いつかYESになるかも?)
わかりやすいな。
定期購入マガジンも買ってみました
(2)定期購入マガジンへの課金は、自分が読みたい有料記事を1ヶ月に何度もUPしている筆者さんのときに、いちいち「この記事に課金すべきか、否か?」って判断するのが面倒くさいので、1ヶ月分まとめ払いできたらラクだなという程度の気持ちで始めたんです。
でも最初の判断はかなり大変でした。
今月は読みたい記事があるからいいんです。でも来月は?
来月もし、記事がつまんなかったら、定期購入を打ち切りますか?
多分そうするしかないですけど、筆者さんにちょっと気まずいな……。
まさか気づきます? 私が課金をやめたら、自分の記事のクオリティが下がったんだと思って、くよくよ悩んだり、居酒屋で深酒したりしないですよね。ショックかな?
そんなことまでモヤッと心配になります。(杞憂です)
それが重たいんです!!
でもまあ読みたいから軽率に課金すっか。ポチッ(ちゃり〜ん。noteからの課金通知メッセージが)
てなノリでお試し課金してみたんです。
そうすると何だろう。思ってもみなかった世界が。
一記事100円だったり200円だったりですが、筆者さんが有料の記事をUPすればするほど私は儲かるのです。
月会費が500円として、読んだ有料記事がそれを上回る合計金額になれば、以降は概念上、私は儲かっているのです。100円の価値がある記事をタダで読んでいるのですから!
「オホホ! どんどん有料記事をUPしてくださっていいのよ!」という謎の無双感にひたれます。謎の快感です。
これが? これがサブスクの魔力なの?
課金してみた後のキモチの変化
そうなってくると、さらに不思議なことに、無料の記事と有料の記事という区別を全然しなくてよくなりました。
それ以前には、この記事は無料なんだな、こっちは有料だ……という垣根を感じながら読んでいたのですが、サブスクしちゃうと関係ありません。
記事の情報的な価値が何円か〜などど小難しく考える必要もなくなり、読みたいものだけを有料無料の区別なく、自然な流れで読むようになりました。
でも、月500円払ったんなら、元を取ろうとして、500円以上読まなきゃって思うだろうな、と当初は考えていたのです。
実際は、さほどそうは思いませんでした。
単に個人的な気分の問題なのでしょうけど、私は作風や活動内容が好きで応援したいライターさんのサブスクに課金しているせいで、それを「毎月自動でコーヒーを一杯さしいれる機能」と感じているみたいです。
記事の情報的価値に課金してるんじゃなく、書き手さんを労うために払ってるんでしょうね。
そう思ってから、まだ定期購読していないマガジンの記事に100円、200円という値段がくっついているのが、以前とは違った意味で見えてくるようになりました。
その「100円」は、定期購読マガジンの体験入会のための料金ということであり、一記事の値段じゃないということです。一回だけ缶コーヒーとかを手土産にゲストとしてお邪魔するということです。
定期購読には「この人を毎月ずっと支援できるだろうか?」というモヤモヤがつきまといますので、まずは後腐れのない一回限りの100円買い切りの記事を買って、「この人が好きか?」を自分なりに判定し、「毎回いちいち払うの面倒くさいわ!」と思うほど何度も読みたいのであれば、定期購読する判断をすればいいんだなと思い至りました。
いや、まだ自分の気持ちがビミョーだなと思えば、毎回課金する形式にとどめればOKです。
私のKyashも有限の資源なので、あっちでもこっちでも全員にコーヒーを配り回ることはできませんので、ずっとではなく、時々コーヒーを持ってお邪魔したいと思います。
私は、その運用でうまくやっていけそうです。
まとめ
noteさんで感じた、この新しいようで昔ながらの「ねぎらう」「さしいれ」という機能って、面白いですね。
そういう小さい支援が集まって、ライターさんやクリエイターさんの置かれている状況を、もっとずっとラクで生産的なものにしていけるといいなと思います。
その結果として、私も有意義で面白い記事をたくさん読むことができるでしょう。
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