零式暫界~第1話「死神と少女」
・暗闇の中で燃える炎がある。
「~!! ~!!」
耳に届かない叫びがある。一人じゃない。何人かの届かない叫び。声。
届かないものに意味はなくやがて消えていく。でも確かにそこに叫ぶ声は存在していたのだ。その最期を見届けていた自分だけがその存在を知る。
他の誰もが知らないその存在を自分だけは覚えていたかった。そうじゃないと消えた事実すら、生きていた証すら誰の記憶にも残らず完全な消滅を示してしまうから。
・意識を取り戻したら知らない天井が見えた。混乱はしなかった。試合が終わった後