D.C.IN Mygarnet3章「あしたを許して」前半
・音も光もない更けた夜。真っ暗な部屋で肩を上下させる少女の姿があった。
必死に唇を噛みしめて声が出ないようにしても、心の奥底から溢れ漏れ出る感情を殺すことは出来なかった。
震えた指でスマホの画面を操作する。
「……」
アドレスを入力し、相手を待つ。電話に出て欲しい気持ちと出てこないで欲しい気持ちがない交ぜの中で。
「……赤羽か?どうした?」
幸か不幸か相手はすぐに出てきてしまった。
「……甲斐さん……ごめんなさい……私……」
「どうした?赤羽、何があったんだ……?」
必死に涙