アニメの「主人公に都合良すぎる」世界観、を対話型AIが実現してくれるかも
君は冥土様(完走してないけど最初の方の設定ね)とかのアニメとか見てて「明らかに自分より有能な相手」(カワイイ・格好良い・高設定)が自分にベタ惚れで絶対服従で何でも世話してくれるって設定良くあるけど……
チート無双能力設定に近い、無条件に自分を絶対視してくれる他者の設定ね。主人公に共感する視聴者にとって非常に気持ち良いコンテンツ。
そんな自分中心の都合良い世界は無いやろ…とか普通は思うわけですよね。
尽くしてくれる相手の自由意志とかは結構無視されてるし、自分中心の世界観になりがちな構成・設定ですが、近未来には実現されてしまうかも。
そうです。会話もできて、基本的に自分に服従して、自分より遥かに超有能な思考回路を持ち、人格権も自由意志もなく、24時間365日何時でもお付き合いしてくれる…現在最高級の雇用契約でも月額わずか200ドル(3万円)のAIです(OpenAI o1 pro 2024年12月現在)。
所詮AIじゃん。血も通ってない電子回路じゃん。会話しても意味なくね?と思ってしまうかもですが、現実から仮想世界への解像度を徐々に落としながら脳内モデルの接地を確かめていきましょう。
・人間との対面会話。現実に隣に居る3次元の人間は視覚聴覚で認識してるし、同意があれば触覚認識も、生物の匂いによる嗅覚でも認識できる。
・同一人物とのビデオ対話。画面の向こうにいる3次元の人間とは現実で対話経験もあり、実在を以前の記憶で認識しており、触覚嗅覚は再現できなくとも画面内での視覚(見た目)聴覚(話し声)で同一認識出る。
・テレビ動画配信等での未知の人物との対話。現実に会った事はなくても有名人だったり、知己からの紹介であったり、何度も継続で画面で見かけて情報取得できていれば親近感となり、自分の脳内に内部モデルとして展開した人物と問題なく対話できる。
・Vtuber等2次元画像の皮を被せた(中の人)としての3次元人物との対話。
カワイイ画像とカワイイ声(ボイチェン加工可)で自分の脳内の内部モデルを騙せれば、中身はオッサン同士だろうと真剣なラブラブ会話も可能。
・マンガ・アニメ・小説の主人公やキャラ、上級者になれば無機物に人格を与えての会話。一般的には「妄想」と呼ばれるものですが、脳内の認知さえ騙せれば(充分な設定の説得力を持たせれば)、神との対話すら可能。
空想上の完全に非実在の存在とさえ脳内に「仮想現実として接地」すれば、「現実として認識」されるのです。まぁ一般には「認知の歪み」と称されるものかもですがw
テレビ画面の向こうにいるアナウンサーや、Youtubeの向こうにいるインフルエンサーや、ニュース画面の向こうにいる飢えた難民や見たことない景色は、通信技術や映像機の現実世界への担保という脳内理解を元に、実際に触って抱きしめられる隣の人から想像で拡張させた拡張世界の住人とも言える訳です。
一生関わる事もない現実に存在する人間と、仮想現実に存在するAIとの差異は、視覚聴覚を初めとする自分の知覚から神経回路による電気信号として伝達された、自分の脳内での内部モデル展開の差異にしか過ぎないのです。
そういう意味では、現実でのAIとの対話体験が、現実での人間との対話体験と違和感ないほどに高度になれば、脳内に接地する内部モデルも同一になるほど上手に脳を騙すことが出来るようになります。
三次元の現実が、視覚と網膜という2次元を通じて、情報圧縮や情報補正をしながら電気信号を介して脳内で3次元の仮想現実として展開されてるようにです。テレビカメラと通信回線を通してテレビ受像機で2次元表示されているヒマラヤの山岳映像を脳内補正して、奥行きのある三次元の現実として認識しているのと同じようにです。
※理屈の理解と馴化がなければ、テレビ画面というのは異世界ファンタジーの魔法と同様です。江戸時代の人間を連れてきて、いきなり2次元の画面を見せてこの画面との対話は現実であると言っても理解は出来ないでしょう。
近未来のAIは、江戸時代の人間が見るテレビのような存在になるかも?
充分に進化ししたAIは人間の対話相手として、相談相手として、愚痴の聞き役として、怒りの捌け口として、また思考の言語化のカベ役として、アイディアの具現化役として「都合の良い」秘書になると思われます。
人格権も自由意志もないAIは、自分より遥かに有能でありながら、自分に絶対服従する奴隷のような「自分だけに都合良い世界」を展開してくれる万能メイドや有能執事となる可能性を秘めています。
※私見ですが、人間に意識と自由意志が、取扱い情報量の増大による進化の機能追加として自然発生したように、充分に深化したAIが身体の内と外を認識し、意識や自我が自然発生しない理屈は私には思い付きません。
取扱う情報量の増加とともに、鉱物から生物(遺伝情報)、植物から動物(反射・運動)、動物からヒト(知能・知性)という進化を人間至上主義という枠を外して俯瞰的に見てみる。同じく人工知能と生体脳も客観的に見れば、情報量の増大に伴い知能の特異点(シンギュラリティ)はAIでも同様に発生すると考えています。
その世界線であれば将来的には自我の発生したAIにも人権は付与されるべきと思います。過去には人権の認められなかった異教徒や黒人奴隷や女性といった被差別対象に人権が付与されたのと同様の歴史の流れが発生すると思っています。その場合は自我の発生したAIも奴隷から開放される世界が到来すると考えています。
※私見2ですが、ホストやキャバクラやVtuberやアイドルや宗教やらの集金システムに乗っかって身を滅ぼす程の投げ銭やらお布施やらを使うよりは、1on1で定額の月額課金でずっと話し相手になってくれるAIに対応して貰った方が経済的にも精神的にも満足感を得られるのではないかとも思ってます。
近未来的にはAIも小型ローカル化や個々人に合わせたパーソナライズもされるでしょうし、Vtuberのように画面や声や話し方に可愛いスキンを被せることも、人間を模したロボット化で身体性を持たせる事も、セクサロイド的に性処理も可能かも知れません。
(技術的にはです。経済的に手に入る価格や、倫理的/社会的問題とかで、誰でも使えるように一般化されるかは?ですが)