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Vol.41 前傾姿勢でオートクルーズする
「胴体回旋&落下(Trunk Rotation & Fall:TRF)スキル」とは、胴体の回旋によるエネルギーと、胴体の落下によるエネルギーを掛け合わせることによって、一歩の推進力を改善するスキルです。
前傾姿勢に関しては、普段から気にしてる方も多いかもしれませんね。身体を前に傾ければ自ずと前に進みますから、わかりやすいと言えばわかりやすい。
ただ、今日お伝えしたい「前傾姿勢のメリット」は、TRFスキルを前提にします。特に今日は「P(=PSIS=上後腸骨棘)の上昇と落下」と前傾姿勢のコラボレーション。
このコラボが実現すると、推進力が改善するのはもちろん、「オートクルーズモード」と僕はよく表現しますけど、頑張ってる感がなく、どこまでもそのペースで走り続けられるような感覚に没入することができます。
この感覚、もしかしたらあなたもこれまでに体験したことがあるかもしれませんね。
しかし多くの方は、このモードへの没入は「偶然」だったりします。つまり再現性がないわけですが、この理由は「なぜそうなっているか?」を把握できていないことにあるんじゃないかと。
そこでもしかしたら今日お伝えする「Pの落下と前傾姿勢のコラボ」のコツが掴めれば、オートクルーズモードの再現性が高まるかもしれません。
実際僕は先日の30kmで、このオートクルーズモードに没入することができましたので、一緒に走っていた方から「ものすごく楽しそうでしたね」といわれるくらいでした。
そのときのSTRAVAのデータがこちら
https://www.strava.com/activities/13638567545
この心地よさ、できることならいつでも意図的に再現したいですよね。今日の内容は参考になると思いますよ。
それでははじめましょう。
前傾することでPを後下方に落下させる
僕たちが「まっすぐ立っている状態」って、少し難しい表現をすると「直立二足立位」と言います。ここでは「直立位」と略しましょう。
この直立位のまま、その場でジャンプしてみましょう。すると、地面に伝える力は真下方向に向かいます。
となると、その地面反力は真上方向に向かいますから、直立位だとその場で上下に弾むだけで、前に進むことはありません。
しかし、直立位から少し前に傾斜すると、地面に伝える力は後下方に向かいますから、その地面反力は前上方に向かいます。
すごくシンプルですが、これが今日お伝えしたいことの半分を占めています。
それではこちらの動画をご覧ください。
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高岡 尚司(たかおか しょうじ) ゼロベースランニングクラブ・オーガナイザー 熊本国府高校陸上競技部長距離ブロックコーチ 鍼灸マッサージ師 ランニング足袋・開発アドバイザー ALTRA JAPAN アンバサダー 合同会社エフエイト・代表社員