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Vol.33 骨盤を回旋「しよう」としてはいけない理由

「胴体回旋&落下(Trunk Rotation & Fall:TRF)スキル」とは、胴体の回旋によるエネルギーと、胴体の落下によるエネルギーを掛け合わせることによって、一歩の推進力を改善するスキルです。

胴体の回旋、今日は特に「骨盤」を回旋する際に気をつけたいことについてお話ししていきます。

骨盤が回旋することによって着地点が身体の真下に寄ってきますから、この動き自体はもちろん必要。

しかし、この動きを意識しすぎると、逆に不要なストレスを脚にかけてしまうこともあります。

また、この動きを意識すればするほど、ランメトリックスでいう「骨盤の回転」スコアが上がらないということも。

なぜ、骨盤を回旋「しよう」としてはいけないのか?

今日はそこに迫っていきます。それでははじめましょう。

ポイントはPSIS

まず、結論からお伝えします。

なぜ、骨盤を回旋「しよう」としてはいけないのか?それは「骨盤の回旋の質が粗大になって、脚の動きが本来の軌道から外れてしまう」からです。

では、こちらの動画をご覧ください。

前半は、骨盤を回旋「しよう」としています。骨盤が回旋しているのは確認できますが、ただ、膝がものすごく内側に入ってしまってます。何だかくねくねしてる感じですね。

この「くねくね」が、「本来の軌道から外れている」ということになります。この動きによって、本来は不要であるはずのエネルギー消費が要求されてしまいます。

このような「骨盤回旋の質の粗大さ」は、骨盤回旋する際のボディイメージの質がもたらします。どういうことかというと…

「骨盤の外側を回旋する」というボディイメージです。

例えば、骨盤の外側にある大転子を前後に振るようなイメージで骨盤を回旋してみましょう。すると骨盤の回旋は大きくなり、その結果、脚はくねくねした動きになります。骨盤回旋の質が粗大な状態です。

とはいえ先述した通り、「骨盤の回旋」という動き自体は必要。じゃあ、どうすればいいの?

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高岡 尚司(たかおか しょうじ) ゼロベースランニングクラブ・オーガナイザー 熊本国府高校陸上競技部長距離ブロックコーチ 鍼灸マッサージ師 ランニング足袋・開発アドバイザー ALTRA JAPAN アンバサダー 合同会社エフエイト・代表社員