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Vol.16 糖質を使った方がランニングエコノミーが高い
今日は「糖を使った方がランニングエコノミーが高い」というテーマでお届けしていきます。
「え?脂質を使った方がランニングエコノミーが高いんじゃないの?」と考えらっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、こと「ランニングエコノミー」という観点から考えると、実は糖質の方が高いんです。
そこで今日は、改めて「ランニングエコノミーとはなんぞや」ということを確認した上で、なぜ糖質の方がランニングエコノミーが高いのか?ということについてお話ししていきます。
それでははじめましょう。
酸素1ℓあたりのエネルギー産生量は糖質の方が多い
そもそもランニングエコノミーとは「ある走速度をどれだけ少ない酸素摂取量で走行できるか?」の指標なんですね。
例えばキロ5分で走る時にどれくらい酸素を使ったか?ということです。
このとき、実は酸素1ℓあたりのエネルギー産生量は、脂質よりも糖質の方が多いんです。
具体的には、脂質は4.67 kcal/ O2ℓ、糖質は5.05 kcal/O2ℓになります。
これは、脂質は酸素を介してエネルギー源として利用されるということが関係しています。
逆に、糖質は酸素を介さずともエネルギー源として利用できますからね。
ですので、「ランニングエコノミー」という視点においては、糖質の方が「エコノミーが高い」となるわけです。
それを考えると、同じエネルギー量を作り出すのであれば、脂質をエネルギーとして利用することによって酸素の必要量が高まりますから、呼吸数が増えるかもしれません。
ただ…
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高岡 尚司(たかおか しょうじ) ゼロベースランニングクラブ・オーガナイザー 熊本国府高校陸上競技部長距離ブロックコーチ 鍼灸マッサージ師 ランニング足袋・開発アドバイザー ALTRA JAPAN アンバサダー 合同会社エフエイト・代表社員