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Vol.25 腕振りのコツは、前腕にあり
「胴体回旋&落下(Trunk Rotation & Fall:TRF)スキル」とは、胴体の回旋によるエネルギーと、胴体の落下によるエネルギーを掛け合わせることによって、一歩の推進力を改善するスキルです。
「腕振り、どうすればいいのかわからない」「腕を振っても速く走れた気がしない」――そんな風に感じたこと、ありませんか?
実はその原因、腕の振り方にあります。そして今日のテーマ、「腕振りのコツは前腕にあり」が、その解決のカギになります。
腕振りというと「とにかく大きく前後に振る」や「肩から動かせばいい」と思われがちですが、それは半分正解で半分不正解。
なぜなら、腕振りの支点が「肩」だけになっていると、全身の連動がうまくいかず、推進力につながりにくいからです。
腕振りの支点と胸鎖関節の関係
今日お伝えしたいのは、腕振りの支点をもう一つ追加することで、胸鎖関節の動きを活性化し、それが結果として推進力を引き出すということ。
具体的には、前腕の真ん中に新たな支点を置くイメージです。これによって腕が「シーソー」のように動き、全身の力が効率よく使えるようになります。
例えば、日常の動作で考えてみましょう。
重い荷物を運ぶとき、肘が固定されている状態だと、肩や手首に無理な力がかかりますよね。でも、肘の角度を変えたり、手首を動かしたりすると楽になる。これは、力が分散されているからなんです。
同じように、ランニングの際も、腕振りが「肩」だけに頼る状態だと、胴体の力が逃げてしまいます。
でも、前腕の真ん中を意識することで、腕の動きがスムーズになり、胸鎖関節(胸骨と鎖骨が交わる部分)が効率よく動くんです。
前腕支点を意識するコツ
では、どうすればその動きを身につけられるのか?
こちらの動画をご覧ください。
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高岡 尚司(たかおか しょうじ) ゼロベースランニングクラブ・オーガナイザー 熊本国府高校陸上競技部長距離ブロックコーチ 鍼灸マッサージ師 ランニング足袋・開発アドバイザー ALTRA JAPAN アンバサダー 合同会社エフエイト・代表社員