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Vol.42 Pを引けば必ずつま先は外を向く

「胴体回旋&落下(Trunk Rotation & Fall:TRF)スキル」とは、胴体の回旋によるエネルギーと、胴体の落下によるエネルギーを掛け合わせることによって、一歩の推進力を改善するスキルです。

今日も「P」の話です。

「P」とは「上後腸骨棘=PSIS」のこと。現場で指導する際、「ぴー」と略すとものすごくわかりやすいのと、なんだか可愛いらしいイメージも重なってか、皆さんに覚えてもらいやすいと感じてるので、とても気に入って多用しています。

さてそんなPですが、実は脚の動きに大きく関与します。

特に今日は「Pを引くこと」の重要性についてお話ししていきます。トップ画像にあるように、トップアスリートは着地する際、つま先が外を向いている傾向があります。

もしかしたらあなたは「着地するときにつま先の向きは真っ直ぐがいい」と考えてらっしゃるかもしれませんが、実は、Pを適切に引くことができれば、つま先は外を向きます。

今日はその理由についてお話していきます。

それでははじめましょう。

膝とつま先を見れば、真下着地できているかがわかる

今日の内容はそこまで難しくありません。実際にやってみれば「確かにそりゃそうだよね」ということだからです。というのも…

こちらの動画をご覧ください。

前に出した右Pを後ろに引いてます。それに伴って右脚も後方に移動するわけですが、右Pを後方に引くと、骨盤は右回旋しますね。

すると、骨盤に接続している大腿部は、特に何かしらの力みを発生させなければ、骨盤右回旋に伴って一緒に右側に回りますから、つま先も外を向きます。

その際、大腿部全体が右に回るので、もちろん膝のお皿も外を向くし、つま先も外を向きます。つまり膝とつま先は同じ向きになっています。

こちらの動画をご覧ください。2022年の東京マラソンを2時間2分40秒の大会新記録で優勝したエリウド・キプチョゲ選手です。

ものすごくわかりやすくつま先外向きながら着地してますね。

とはいえもちろん「つま先が外を向くように着地すればいい」ということではなく、大事なのはPを引くことによって「結果的に」つま先が外を向きながら着地することです。

ただ、中にはこんな方もいらっしゃるかもしれません。

「Pを引いてるんだけど、つま先が外を向かない」

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高岡 尚司(たかおか しょうじ) ゼロベースランニングクラブ・オーガナイザー 熊本国府高校陸上競技部長距離ブロックコーチ 鍼灸マッサージ師 ランニング足袋・開発アドバイザー ALTRA JAPAN アンバサダー 合同会社エフエイト・代表社員