Vol.6 ヒルスプリントによって筋肉のスティッフネスを高める
ZBRC.では、フルマラソンのための基礎構築期にヒルスプリントをスケジュールに組みますが、実はこれも乳酸性作業閾値の改善、つまりは持久力を高めることにつながるということで、前々回からテーマにしてます。
前回は「ミトコンドリアを増やす」という観点から、このヒルスプリントの導入メリットについてお話ししました。
そこで今回は「筋スティッフネスを高める」という内容でお話ししていきます。
もっと乳酸を絞り出すために
ヒルスプリントを実施する目的は、主に以下の3つです。
①運動単位(速筋線維)の動員数を増やす
②ミトコンドリアの数を増やす
③筋スティッフネスを向上させる
前回までにお話ししたように、ヒルスプリントによって速筋線維を動員し、乳酸を大量産生。その乳酸が遅筋線維のミトコンドリアを増やす刺激になり、脂質のエネルギー利用割合を増やすことによって、乳酸性作業閾値が向上する。ゆえに、持久力が上がる、と考え、ヒルスプリントを取り入れています。
ただ、ヒルスプリントをやり始めてすぐは「なかなかスピードが上がらない」という方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
スピードが上がらない、つまり速筋線維の動員数が少ないと、乳酸産生量が小さくなってしまう可能性があります。
そこで今日取り上げるのが「筋スティッフネス」。つまり瞬間的な筋肉の剛性を高められているかどうか?です。
上り坂をダッシュする際、僕たちは大きな力を発揮する必要があります。
その大きな力を発揮するためには、アキレス腱に代表される「腱」を活用する必要があります。
腱には、瞬間的に伸張されると反射的に収縮する仕組みがあります。この「反射的な収縮」によって、爆発的な力を発揮することができるんですね。
では、もう一段階深掘りましょう。どうすれば、爆発的な力を発揮する「腱」を活用することができるんでしょうか?
ここで今日のテーマである「筋スティッフネスを高める」の登場です。
高岡 尚司(たかおか しょうじ) ゼロベースランニングクラブ・オーガナイザー 熊本国府高校陸上競技部長距離ブロックコーチ 鍼灸マッサージ師 ランニング足袋・開発アドバイザー ALTRA JAPAN アンバサダー 合同会社エフエイト・代表社員