Vol.13 30km走の目的
さて、今日は「30km走の目的」というテーマでお話ししていきます。
これまでにも「30km走は『強化練習』ではなく『予行練習』として実施する」ということをお話してきましたが、今日はそれを深掘りする内容となります。
それでは始めましょう。
30km走でできないことは、本番でも、できない
僕は基本的に、30km走を強化目的では実施しません。強化目的であれば、日曜日に30kmをやるのではなく、土日合わせて35〜40km程度のトレーニングを実施します。
これをバックトゥーバック(B2B)と読んでますが、「強化」ということを考えると、B2Bの方が効果的だと考えています。
なぜB2Bの方が効果的なのか?ということはこちらにも書いてますので、まだB2Bについて理解されてない方はこちらをチェックしてみてください。
ただ、30km走を全くやらないか?といえばそうではなく、僕が立てるメニューでは、基本的に2週間前に30km走を入れます。
この30km走は、レースを想定した予行練習。
ペースや補給のタイミングなどを確認し、問題がないかをチェックするわけですね。
この時のペース設定に関しては、基本的にはレースで走るペースか、それよりもキロあたり5秒程度落として走っていただくことが多いです。
レースでは集中力の高まりによって、努力感あたりの走速度が上がる傾向にあります。なので、30km走は5秒くらい落としたペースの努力感でちょうど良かったりします。
で。
そんなペースで30km走をやるわけですが、2週間前の段階で、この30km走を最後まで設定したペースで走り切れないとなると、残念ながら本番でもそのペースで走り切るのはほぼほぼ無理だと思った方がいいです。
僕がパーソナルコーチを担当している方の中に「30km走は全然走れなかったけど、本番では爆走した」という方がいらっしゃいますが、このようなケースはかなり稀。
基本的に、2週間前の30km走を途中でやめちゃったり、最後はヘロヘロになっちゃったりということであれば、もうそもそもが「そのペースでフルマラソンを走り切るための準備ができていない」ということです。
ただ、順調にトレーニングを積んでいて、30km走の時だけ体調が良くなかった、というケースも考えられるので、そういう方はその後のトレーニングを調整すれば、目標タイムを達成することができるかもしれません。
ただ、明らかにトレーニングが不足していて、それで30km走を予定通りに走り切れなかったということであれば、それはもう準備ができていないわけなので、レースプランを変更する必要があります。
この状況では、僕は2つの選択肢があると思ってます。
①30km以降にビルドアップできるくらいのペースに再設定にする。
②次のレースのためのトレーニングとして、30kmまでは想定していたペースで走り、そこからはクールダウンと割り切る。
この段階で30km走をサラッとクリアできる状態にしておくことが重要で、僕が作る「強化」を目的としたトレーニングプランは、ここでひと段落となります。
そしてこの30km走のあと、2週間かけて「テーパリング」していくわけです。
テーパリングとは、練習量を調整しながら疲労を抜き、本番に向けて調子を合わせていくこと。
次回は、僕がコーチとして大事にしているテーパリングの秘訣についてお話ししていきます。
それでは、また🙌