【仕事】記憶までは消せない話
<おじさんDX Vol188>
とある海外製品の品質が悪かったのが、ここ10年で随分と市民権を得て国産品を駆逐しつつある現状があるのです。
✅安かろう悪かろう
業界がばれますので、あえて濁した表現にしていますが、その昔の海外製品は、とても安心安全ではなかったのです。下手をすれば命に関わり、価格が安いだけであって、正直私もこんな製品は使用したくないと思う程でした。
信頼性も低く国産品では、聞いたことの無いようなトラブルもありましたし、アフターフォローも全く駄目な状況でした。それに比較して国産品は、何事も無く使用できますので、私も全幅の信頼を置いていたのです。
MVP(Minimum Viable Product)
MVPとは「最低限の価値を持った商品」を意味する。それを一度リリースしてみて、まずは市場の反応を見る。そして販売と並行して、市場の反応がよかった要素をさらに伸ばし、悪かった要素は優先的に改善してバージョンアップしていく。
日本製品は「減点型の完璧主義」
世界のトレンドは「加点型の完璧主義」
これは国民性も出ているのだと思うのです。
確かに日本製品は、リリース時から完璧を目指していますから緻密なのですが、ことスピード感のあるリリースには時間がかかってしまいます。
✅変化は突然
ある時「とある製品を試して欲しいと依頼」がありました。個人的には、全く乗り気でなかったのですが、信頼関係のある営業に頼まれて渋々受けたのです。
その営業も「馬鹿に出来ないレベルで驚いた」というのですから...。
✅結果は、「おや?これほどまでなのか」
数年前のテストでは、散々だった海外製品。
短期間のテストでしたので具体的な数値までは出せないとしても、それが数年前の国産と比較しても遜色なく、価格を考えれば、この選択もアリだなと思ったほどです。
性能面では国産品の方が優れているのですが、その差を感じ取れる一般ユーザーがどれだけいるのかというと、かなり微妙なのです。むしろ過剰な品質の国産品を選択するメリットは、どこにあるのだろうという程なのです。
✅安かろう悪かろうは過去
内部関係者によると技術の進歩というより、技術は数年前の日本の技術を導入しているとの事でした。
最新最先端ではありませんが、数年前の技術でも普段使いにはこれで充分。開発費も低くて済みますから価格設定も安く出来るし、市場競争力もある。
だたし、価格崩壊は起きているので、さらに拍車がかかるのは、嫌な予感しかしないのです。
安価だからと言って消耗品でもない限り、一度購入すればしばらくは購入する必要がない。そのメーカーにとってシェアが広まっても業界にとっては、単純に単価ダウンなのです。
こんな業界でも日本の技術が、流出しているんだな...と複雑な思いでした。
聞けばその技術は、某メーカーを退職した技術者からとのことです。退職時に企業は、データー等の持ち出し等を禁止していますが、長年勤めた技術者の記憶までは消せないのです。
家電はすでにそうなっていますよね🙄
新規参入するには、販売網の構築など課題はありますが、今や世界中どこでも売る事が出来ます。日本製品並みの海外製品の出現は、業界にとって大きな変化の訪れだったのです。
✅簡単に定年だ❗
✅早期退職だ❗
と、やるからこうした重要人物が、海外に流出する。
自社だけ儲かれば良いという考えがあると、トータルで国が疲弊する要因の一つに繋がっていくような気がしているのです。
日本のモノづくりでは、まさしく典型的な事例😅
そんな、おじさんの話でした。