【働き方】制度はあっても実施実績がない
<おじさんDX Vol 432>
というボヤキが耳に入りました。
✅制度はあっても実績がない数々
退職者が多いのは、何らかの不満が会社や職場にあるからですが、退職者はその本当の理由を言いません。
少々意地悪い話になりますが、まずは出勤簿を見て...
『なるほどね...』と思ったのです。
その会社は、出勤時にタイムカードではなく出退勤時間を入力するシステム。入力するのは、従業員自身ではなく「責任者もしくは次席の方」です。
一部データーを見ると
私はこの出退勤管理票を見て「はて?社員通用口は、そんなに広いのか?」と一瞬思ったのです。
🔴出勤は暗黙のルールで始業前15分まで。
🔴退社時間は、規程通りの時間で打ち込み。
という調査結果が出ています。
本来は、
全スタッフを同時間で入力するのは「時間の管理しています」という既成事実を作るためだけです。これは、労働時間の管理をしていることにはなりません。
むしろわざわざ行うのは、無駄では?と思います。
✅休憩時間も規定通り
その店舗は、勤務時間以外の休憩時間が、1日トータルで60分あります。
出勤簿を見る限り
長年小売業で働いていまが、店舗というのは毎日決まった流れではありません。
時間帯や曜日によって混雑する傾向はありますが、当日の営業を迎えてみないと予想外という事もあるのです。
もちろん売場フロア等が混雑した場合は、休憩時間でもお客様対応に駆り出されます。
それなのに全スタッフが規程通りになるなんて...あり得るのでしょうか。
🔴やった方が損をする。
🔴還元されない。
これでは、お客様から支持されません。
✅営業時間が課題を生む
営業時間は、11:00~20:00です。
休憩60分を考慮しても営業時間だけで8時間の労働時間になりますが、実店舗というのは、開店や閉店時間の前後に準備があります。
前後に30分設けられると、1日で1時間の労働時間になりますので、実質的な拘束時間は、10:30~20:30となります。
60分休憩ですと1日で9時間労働です。
毎日通し勤務ですと1時間の残業をしていることになりますので、出勤が1ヶ月22日ですと...
更に通勤時間もありますので、帰宅するのは21時以降と予測出来ます。
ちなみに21時帰宅というのは、あと3時間で1日が終わります😅人によっては、それが嫌になる要因でもあるのです。
業態上仕方ないコトですが...ワークライフバランスには厳しいですね。
小売業は、当日の売上目標を達成したからと言って営業時間を短縮することもないのですから、生産性という意味では厳しい現実もあります。
こうした課題にも「早出遅出等の制度」を整備しシフトを工夫する必要があるのです。
✅育児休暇、継続雇用制度など
上記のような制度以外にも各種制度が規程されていると思いますが、実際の利用状況はどうでしょうか?
この企業の場合、0%でした😅
🔴利用されない・利用できない制度は、絵に描いた餅です。
法律で制度の設定が義務付けられてから動く企業というのは、設定までは動いても実際の運用実績がないのです。これでは従業員が安心して働ける環境にあるのか微妙なのです。
✅持ちつ持たれつ
全てを厳格に制度を適用せよというのではありません。
勤務時間や休憩時間の取得に関しても「持ちつ持たれつ」なのです。
ちなみに会社ともなると経費は1円たりともいい加減に出来ませんが、それが「従業員の労働時間」ともなるとどうでしょうか。
言うだけなら簡単。
こうして点を指摘すると「たかが5分や10分に目くじらを立てるな」というのです。
ですから、金銭に換算してみたのです。
毎月5500円徴収するなんてなったら、社員は反発しませんか?
🔴実際に「積もり積もれば何時間?」となるのです。
従業員側は、その位はまだ仕方ないと思っているようですが...不満が大きくなると今までの鬱憤が出てくるのです。
経営サイドは、厳格にルールを適用しながら、こうした暗黙の了解等で束縛するのは、不満を生む温床になります。
笑いながらボヤキを言っている場合じゃないのです。
従業員がまた退職したのは、その店舗の責任者にも課題があると思いますが、責任者にしたのは、誰でしょうか?