映画感想『新感染半島 ファイナル・ステージ』
原題「韓 반도/英 PENINSULA」
◆あらすじ◆
謎の感染爆発で半島が崩壊してから4年。脱出の際に家族を守れなかったことがトラウマとなり、亡命先の香港で廃人のように暮らしていた元軍人のジョンソク。ある日、裏社会の人間から仕事の依頼を受ける。それは、今も完全封鎖されている半島に潜入し、大金を積んだトラックを見つけ出し、回収してくるというもの。依頼を引き受け半島への上陸を果たしたジョンソクだったが、そこに待っていたのは想像を絶する大量の凶暴化した感染者の大群と、終末世界と化した半島で非道な所業を楽しむ狂気の民兵集団631部隊だった。2つの脅威にたちまち追い詰められたジョンソクは、荒廃した世界で生き延びてきた幼い姉妹とその母親ミンジョンに助けられるのだったが…。
前作同様【家族】がテーマだが描き方は全く違う。
前作に感じた新鮮味は鳴りを潜めたがそれに匹敵するカーチェイスの猛襲!
このカーアクション見てるだけでもこの作品の価値は充分に感じられるほどの代物だ。
特に後半クライマックスのチェイスはマッドマックスばりのカーアクションでそれを砂漠では無くゾンビが蔓延し廃墟となった街中でやると言う窮屈感(笑)
迫力満点だったのは言うまでもない。
その上、ゾンビの特性をフルに活かした人間の生き残りゲーム的要素。これがまぁオモシロイのなんのって!!
色んなアイテム出して来てゾンビ達の習性ご紹介コーナー作ってくれてるんでゾンビ映画苦手な人もこれ見ておくと生き残れんじゃね?的な勘違い出来るかもねぇ~(笑)
更に数々の映画へのオマージュ(既視感と言うなかれ)も盛り込まれた楽しさがある。
個人的には軍人(今作は元軍人)が一般人を導くって意味では『28日後・・・』を思い出したけどね。
確かに大量のゾンビを撃ちまくるのも銃が使えなくなったら素手で対処しなくちゃならないのも軍人で戦闘に長けてる設定必要だよね。やたら強い一般人なんて嘘っぽさ炸裂しちゃうからこの設定を冒頭に持ってきたのは大正解だったと思う。違和感無く見られた一因だな。
その元軍人ジョンソクを演じたカン・ドンウォンのカッコ良さもやけに解り易い伏線も、もちろん見応えだが、とにかく何と言っても【半島】で生き残って来たサバイバー家族がサイコーに胸熱だったのは特筆するべきエレメントだ!
あの幼い姉妹には気持ち持ってかれたわぁ❤︎
( ✧Д✧) カッ!!
先ず導入部で驚かされるのは「コイツどんだけサバイブしてるんだよ!?」的なドライブテクを見せ付ける姉妹のお姉ちゃんジュニだよね。
誰かが「ベイビー・ドライバー」並みって言ってたけどマジそれ!
お母さんに外出禁止って言われてたけどあれ完全に毎日出かけてゾンビ振り払ってるよねww。そんじゃなきゃあんなドラテク身に付かないだろ!
(演じたのはイ・レっていう14歳の女優ちゃん、凄い肝座った感出てて良かったわ)
で、その姉の危機を完璧且つ茶目っ気たっぷりな連携で助けるのがイ・イェウォン演じるユジンなんだけど、彼女のこれまた別意味でのドライブテクは凄かったね。
ラジコン・カーをあんだけ自由に扱えたらさぞかし面白くて楽しいだろうなってずっと思ってた。あの色彩放ってキラキラしたラジコンのシーンはかなりの見応えだったな。
前述したゾンビの特性要素を初っ端に見せてくれるのがこの姉妹で、余裕のサバイブ見せてくれるからビックリよ!
まだ10歳なんですってよ、妹ちゃん。演技も凄くて泣くシーンなんてマジ泣きなんだもん。マイッタわ。
お爺ちゃんもこの生活で頭おかしくなっちゃったの?的な所から感動の一幕への重要要素だったからビックリ!
カン・ドンウォン演じるジョンソクとこの家族の因縁が関係性を深める伏線になってるんだけどそういうちょっとした哀しさや人間臭さが韓国映画らしいなって思ったよね。
多分日本映画だとお涙・・・的に持って行きそうなのよねシビアさより無駄な感動に結びつける。でもそうじゃないのが韓国映画。「気弱なお涙なんて要らないのさ、アタシ達を見捨てたのはアンタだけじゃない!」って強気のお母さんがそこに至るまでにどれだけの想いをして来たかが一瞬で解っちゃう描き方がステキだった。
イ・ジョンヒョン演じるこのミンジョンて言う女性、凄く好きだった。削ぎ落とされた美しさがあったな。
なんだかツラツラ書いてきて・・・スゲェ、いい映画じゃないか!!! ( ✧Д✧) キラーン
家族を救う為に何をするべきか⁉︎
後悔は先に立たない、今やるべき事をやるって事だな。
世界がパンデミックに陥ってる現在、凄くタイムリーな作品だと思う。
そう、自分の行動が家族を死に至らしめるかもしれない事をよ~く考えろってね。
目に見えないモノと闘う方が大変だな。
ゾンビの方が解り易いよ・・・全く。
2021/01/09