『シェイプ・オブ・ウォーター』
原題「The Shape of Water」
◆あらすじ◆
1962年、冷戦下のアメリカ。政府の極秘研究所で清掃員として働く女性イライザは、研究所内に密かに運び込まれた不思議な生き物を目撃する。イライザはアマゾンで神のように崇拝されていたという“彼”にすっかり心を奪われ、こっそり会いに行くように。幼少期のトラウマで声が出せないイライザだったが、“彼”とのコミュニケーションに言葉は不要で、2人は少しずつ心を通わせていく。そんな矢先、イライザは“彼”が実験の犠牲になることを知る。
ギレルモ・デル・トロ監督の全霊がぶち込まれてる!
観ればこれは必然と解る。
言い方が良いかワカラナイが監督独特のヲタク色があちこちに散りばめられて冷戦下と言う背景での強いサスペンス性や純粋なファンタジーラブストーリーにも拘わらずユーモラスさも滲んでる。
この一年で再び再燃する差別や排他的な風潮に監督の反アメリカ政権への想いが感じられる。
完成度としても高くキャラクター設定の緻密さや色彩、色調技もこの作品の主要なエレメンツとして見る側の目を楽しませてくれる。
生々しい人間の行為を描く事で絵空事のファンタジーではなく、現実とのリンクを計ってる。
だからこそこの作品の美しさは絶品だ。
1人の民間人が権力に屈せず生きる事を選ぶ姿勢にも【現在】が過る。
でも、最後はめちゃイケメンに見えるから凄い!
外界に氾濫する言葉や雑音が断ち切られた水中シーンはまるで彼等の愛に満ちた彼等だけの世界に包まれる様だった。
デル・トロ流の『美女と野獣』か?
いや、もっともっと超えた次元の作品だ。
余談だけどイライザが嫌なヤツに手話でやる「F**K YOU」を覚えたものです…