短編小説『青春、消息不明』
「実は、この前の文化祭の時から、俺お前のこと好きだったんだ。付き合ってください!」
「ごめんなさい!私なんか悟君にはもったいないと思うの。悟君にはもっと良い人がいるはず。だから私たちはずっと友達でいましょう?」
「そんなことないよ。俺はお前が好きなんだ!」
「ごめんなさい」
川上悟(かわかみさとる)、16歳。人生4回目の失恋だ。
通う生徒の男女割合が均等であるという理由で高校を選択し、経験はなかったが爽やかなイメージを抱かれるだろうという想定でサッカー部に所属し、楽器が