「人とのつながりに対する関心から対話を研究する」後編 慶應義塾大学SFC研究所上席所員 長井雅史さん
前編より続く
●『対話のことば』に関する現在の活動について
三木:後半は生み出された様々な手法を使って今どういうご活躍をされているのかという実践のほうをちょっと伺っていきたいです。今どのような活動をされてるんですか?
長井:対話に関して言えば、対話について体験しながら学べる場づくりと、あとは対話を学ぶ場を作りたいファシリテーターを育てるっていう2つのことを主にやっていて、今後の兆しみたいな話でいくと、自分自身が困難さを抱えながらも何とかそこで対話をしていきたいって思う人達を、支援できるダイアローグサークルを定期的に作ろうかなと感じています。
三木:対象は個人ですか?
長井:対象は今は個人でやっています。
三木:その中にちょこちょこ企業の人もいらっしゃいますか?
長井:そうですね。
三木:企業に属していながら個人として参加している感じ?
長井:そうですね。
三木:ファシリテーションをやりたい方は企業の人とかも多いんですか?
長井:それは第一期としてプログラムを今年入ってからやり始めてるんですけど…
三木:小畑さんはその第一期?
長井:「対話のことばラボ」っていう体験しながら学ぶのと「対話のことば活用講座」っていう学ぶ場をファシリテートしたい人向けがあって、小畑さんはこっちのラボのほうに参加してくれていて。活用講座のほうは一期は6人ぐらいを定員でやってたんですけど、4人が企業に属しながら同時に対話を大事にしたいみたいに思ってる人だと思います。
三木:あとの2人は個人で?
長井:そうですね。コーチングをやってたり。
三木:実際その2つの仕組みを回してて何か社会のニーズを感じたりしてますか?
長井:う~ん、そうだな…。社会のニーズ…
三木:どのような思いで皆さん来られてるのかなと思って。
長井:個人個人どんな思いで来てるかで言うと、例えばこれまでの会社経験の中で、なかなか人が大切にされる社風を感じられずに苦しんできた背景があって、そういった背景から対話が大切にされたりとか、人の心が大切にされるような会社のあり方を探求したくて来ている人がいたりします。あとは対話に出会って人生が変わってきたみたいな、それこそ中村一浩さんと一緒にやったダイアローグラボのイベントに来て、そこを起点に対話に触れる回数が増えていって、そこからすごい人生が開いていってる体験をしている人が、より深めたくて来てくれていたりとかですね。
あとは家族との対話とか両親との会話において、不自由さを感じていたりとか、もっとうまく関わり合えないかなみたいな問題意識がある方だったりとか、保育現場にいる方もいますし、結構対話って言ってるので領域は多岐にわたってるなっていうのは感覚としてあります。
●対話と出会ったきっかけ
三木:3つ目の自分も苦しんでいるシステムの中の一部で、何とかしたいっていうほうを今は手がけようとされている感じなんですか?
長井:そうですね。
三木:それはどういう意図でそういうことを?
長井:結構自分の人生の大きな流れっていうのと、対話のことばに関しての活動をし始めて必要性に応える形でみたいな、2つの流れが組み合わさってる感じがするんですけど、まず前者のほうでいくと、自分の人生としてまず最初に自分が対話に出会って、対話に傾倒していったのは、自分自身がめちゃめちゃそれを必要としてたというか、人との関わり合いにおいて、何か難しさを感じていたみたいな体験が…
三木:いつぐらいの時ですか?
長井:小5から大学1~2年ぐらい。
三木:結構長いですね。
長井:そうですね。70点ぐらいでずっときたみたいな感じで、悪すぎはしないんだけど良すぎもしないみたいな感覚と共に、学校社会の中で生きてきた感覚があって、対話に出会って自分の感覚も大事にできるし、相手の感覚も大切にできた上で共にいられるあり方、関わり合いがあるんだみたいなところに希望を持って、まずはそれを自分が身の回りで築きたいと思ってやり始めたみたいな。
三木:対話に出会う前はどんな感じだったんですか?
長井:出会う前はまずそこが両立できるっていう前提がそもそもなくて、自分を出すっていうことと、相手を受け入れるとか相手に合わせるみたいなことのバランスが取れなくて。
三木:どうしていいか分からない。
長井:そうそう。出しすぎてわがままに映って距離を置かれるみたいなことがあったし、逆に自分自身が合わせすぎて、合わせてるから別にハブられないし共にいれるんだけれども、どこか自分の中で感じていることは、自分の中だけにあって人にはシェアできないみたいな感じだったりとか、そこのバランスが全然つかめなくてちょっと困ってたのが、大学1~2年ぐらいまでずっとそうだったんです。
三木:それがどういうきっかけで対話と出会ったんですか?
長井:出会ったきっかけはデヴィッド・ボームの『ダイアローグ』っていう本だったり、あとはNVC(非暴力コミュニケーション)。
宇都宮:そういう本ってどこで見つけたんですか?
長井:何で出会ったんでしょうね。Amazonかな。
宇都宮:すごいね。Amazon。
長井:Amazonのリコメンドが人生を変えたみたいな。ちょっと明確には覚えてない。
三木:デヴィッド・ボームも物理学者ですよね。何でダイアローグなんだって。
長井:確かに。
宇都宮:読んでも分かんなかったし。
長井:あれは難しいですよね。確か入り口はデヴィッド・ボームだったと思うんですけど、どっちの意見も大切にした上で、彼は意味の共有みたいな言い方をしてますけど、共にあれる関わり合いがあるんだっていうことにすごい希望を感じて、それを自分は求めてたって思って一気にそういう本を読み漁ったし、自分の身の回りでもやりたいって思い始めたし。
三木:でも実践の場がないじゃないですか。それをどうやって作ったんですか?
長井:それこそオーソドックスな輪になって対話みたいな感じというか、1対1の人付き合いの中でなるべく対話的に関わろうっていうのを日々やってたみたいな。
三木:それでそういうサークルみたいなのを作ったんですか?対話サークル的な。
長井:そこでいくと初めて自分が対外的に実践したのは、中高生向けに対話をベースとしてそれぞれが自分らしさについて気づけるような場を作った体験でした。
三木:そこから段々と活動、実践を…
長井:そうですね。対話を大事にしている会社にインターンしたりとか、そういった実践経験も踏まえながらやっぱり大事だって思って、同時にそこに問題意識を持ってたり困ってる人は、自分以外にもいるんだなっていうことを思ってこの研究をしたくなったり。今より対話の知が広がる範囲で広がっていけばいいなっていうことを願い始めている感じですね。
●対話とマインドフルネスの関係について
三木:我々はマインドフルネスをかなりzenschoolで取り入れたりとか、Zen2.0はそもそも禅とマインドフルネスが関わったりする。対話とマインドフルネスの関係、相性をどう感じてらっしゃいますか?
長井:僕自身は対話は、会話っていう行為を通じたマインドフルの実践だなと思っています。座ってマインドフルネスの実践をすることもできるし、会話を通じたマインドフルネスの実践は対話だなって思います。
三木:ご自身はされたりするんですか?
長井:昨年末にヴィパッサナー瞑想に行きました。
三木:いかがでした?
長井:めちゃめちゃ良かったです。
三木:10日間コースね。千葉?
長井:千葉です。
三木:最新のハラリさんの「21レッスン」っていう中でも最後はヴィパッサナー瞑想についての章で、彼の本の書き方も瞑想に行く前に大量の書籍とか文献を読み込んで、20日間コースとかに行ってその中で編み出すっていうのをどこかのインタビューでおっしゃってましたね。
長井:それは参考になる。彼はアシスタントティーチャーもやってますもんね。ヴィパッサナー瞑想の。ああいう方がヴィパッサナー瞑想の実践者であるっていうのはすごい…
三木:社会的インパクトがあるよね。
長井:なかなか象徴的な話。
三木:ビジネスマンとかに瞑想を説明する時にあれを出したらもう水戸黄門みたいな、お~~みたいな(笑)。それまで「怪しいんじゃないの?」みたいな…
長井:ああいう影響力がある人が実践してるってなると変わりますよね。
三木:別のインタビューでハラリさんが、今まで彼はオックスフォード大学で博士号を取って色んなことにたくさんの時間を費やしてるんだけど、人生の中で一番ROIの良かった投資は、自分の心を鍛えるメディテーション(瞑想)が一番リターンが多いって言ってて、結局のところそうなんじゃないかなって僕は思うんだけどね。それは別に対話でもメディテーション、マインドフルネスだと思うけど。
宇都宮:三木さんが言ってるマインドフルリスニングって徹底的に聞くっていう。
三木:まず音を聞くところから始めて、チャイムを最初から最後鳴り終わるまでそういう練習を何回かした後に、あとは相手のことを徹底的に聞くっていう練習をしたりとか。まずそこがほとんど日本の社会はできてないので、そこだけでもかなりあり方が変わるんですよ。とある方がとある市のマインドフルティーチングをされてるんですけど、まずマインドフルリスニングができてないからまずそこからやっていく。そうするとだいぶあり様が変わっていくみたいな。
長井:確かに。
宇都宮:聞くことに専念すると時間がかかるじゃないですか。時間が決まったカリキュラムとかプログラムだとなかなかできないですよね。そこが難しいなっていう。zenschoolは逆にそういうのもあって時間を長めに取ってるんです。時間を気にせずに無言でも平気みたいな。
三木:1人半日とかね。
長井:間違いなく人生でなかなかないですよね。自分のために1日とか半日がみたいな。
三木:徹底的に聞くみたいな。
宇都宮:明らかに変わりますよね。変容していくっていう。ただ持続しないんですよ。一度経験して味わうんですけど、zenschoolから離れたらまた日常に戻っていくので、どうやってそれを維持していくかっていうのは、僕らは今色んな試行錯誤している感じですけどね。
三木:やっぱり毎日の瞑想が僕はいいかなっていう。習慣化する。
宇都宮:何かしらの行(ぎょう)は必要な気はしますよね。
長井:そうですね。日常に戻るとコンテクストもまた変わるので、そのコンテクストの力によってそっちに流されたりとか、そこのシステムの文化に戻るみたいなことはあるので、そういう時にちゃんと自分自身とつながり続けてるみたいなのはすごく重要だと思うので。
宇都宮:流されますよね。すごいパワーで来ますからね。
三木:特に今、新型コロナが大発生中の…
長井:大影響ですよ。めちゃめちゃ影響されてますもんね。
三木:その中で本当に心に大きな恐怖を抱えるような報道がテレビから大量に浴びせられる。SNSとか。
宇都宮:自分との対話みたいな表現があるじゃないですか。それってパターンランゲージができたりするんですかね?自分との対話のパターンみたいな。
長井:できると思いますね。
宇都宮:仏教だとたぶん宗教って一般的にそれですよね。きっとパターン化してますよね。でも宗教はある種嫌う人は嫌うから、そうするとパターン化しづらい、できてないわけじゃないですか。だから新しい宗教を作る必要がある。
長井:確かに色んな領域で色んな自分との向き合い方とか自分との対話の仕方の実践があると思うので、そこに共通するパターンをパターンランゲージで抽出するみたいなのはできると思いますね。
宇都宮:ダイアローグ教。
長井:(笑)。
●対話の色んな場面への応用について
三木:パターンランゲージのやり方だとたぶん色んなものに応用できると思うんですけど、今考えている他の応用範囲って何かありますか?さっきのは医療の現場でしたっけ?自分が含まれているシステムを…、それは医療の現場みたいなのですか?
長井:それは主に感じたのは家族っていう一番自分と他者を同一視しがちな空間だと思うので、その時にすごい困難さが生まれてるなみたいなのは感じていて、そういった人達の支援ができるといいなとすごく思っていて。今の話に答えるとたぶん似てる部分もあるんですけど、『対話のことば』で記述している対話の知恵っていうのは、オープンダイアローグから参考にしている部分もあるので、視点としてはファシリテーター視点だったりとか、困っているシステムに関わる人の視点で紡がれてる部分もあるんです。今言ったような自分自身がシステムの一部で当事者で困っているけど、そこの現場で何とか対話的な関わり合いを育んでいきたいみたいな立場に立つと、また違った実践の知恵があるはずなので、そこら辺はもしかしたら僕自身が大学サークルを通じて支援することをし続けていった先に、見えてくるパターンがあるかもしれないなと思って、もしそれが見えてきたら言葉にしてまとめたいなと思っていますね。
宇都宮:結構zenschoolをやって受講生が自己開示すると、親の影響ってすごいですよね。親子関係が引っかかってる人が結構多かったりする気がします。自分を開示する時に開示できないきっかけが親だったりするケースが結構多くて。今は子供達相手に対話とかされててその子の親にも必要な気もするんです。
三木:今も子供達のは続けてるんですか?さっきの…
長井:それはもう続けてないです。それは学部の2~3年の2年間だけだったんですけど、ちょっとその時そこまでの視点がなかったからどうだったかなみたいなのはあるんですけど。
三木:子供達に今求められている気がするんです。いわゆる虐待的な家庭とかそういうところを救う手立てにもなるんですかね?このダイアローグは。そこで自己開示するのは結構ハードルが高いかもしれないですね。
長井:しかも親も親でたぶん何かしら自分自身のバックボーンが影響してそういう…
三木:ずっと続く…
宇都宮:親のその親とか先祖代々とか…
三木:負のオーラが続きますからね。
長井:連鎖しがちな部分もあるので、その負の連鎖を断ち切るために自分自身が一旦立ち止まって自己浄化することが大事だなと思いますし、色々ちょっと複雑ですよね。
三木:対話をすることで癒される自分もあるじゃないですか。
宇都宮:自分を認めてあげるみたいな。
三木:だからそういう悲しみの中にある人が対話をするとすごいインパクトがある…
長井:確かにそうですね。
三木:だから子供達も悲しみを抱えている子供達がたくさんいる。若者の自殺率が多いっていうのは話す相手がいなかったりとか本音を言えない、同年代でも言えないみたいな。
宇都宮:だから匿名のTwitterとかで毒を吐くみたいな。でも吐いた毒は(自分に)戻ってくるのでね。
三木:完全に安全なコミュニティを作ってそこでお互いに対話できるような場を作ってあげることが自殺とか…
宇都宮:小畑さんが(FACEBOOKに)上げてたやつで『プリズン・サークル』っていうドキュメンタリー映画がありましたよね。
長井:最近ちょっと話題ですね。
三木:対話によって刑務所の中で更生を促す。単に罰を与えるだけでは更生されないっていう。色々可能性はすごいあると思うんですよね。
長井:確かに。
宇都宮:それは企業も同じですよね。社長と社員の間の関係性も同じなんですよね。対話っていうのがあることによって変わっていくっていう。
三木:Zen2.0もマインドフルネスで他人を癒そうとしているイベントなんだけど、内部で悲しみが生まれてるっていう。そこで対話が必要なんです。僕もその悲しみのシステムに組み込まれてるんだけど、自分で自分、仲間と対話することで癒される。
長井:Zen2.0の場合は、システムの中でもちろん良いこともあれば悲しみや嘆きみたいなのも生まれている中で、ただそれは内部での対話によって自己浄化できてる感じなんですか?
三木:まだ完全には浄化できてないかもしれないけど、お互いにそういう関係性を作れてきているかなっていう。そこで重要なのはまず座ること。座った後に対話をしてっていう。
長井:本当大事だと思います。
宇都宮:宗教の儀式って結構パターンとしてうまくできてますよね。一緒に唱える、一緒に活動する、一緒にお掃除するとか。
長井:なるほど。そっか。敵意とかが出にくいプロセスとか習慣があるのかもしれない。
三木:敵意は出てもいいんだけど、要は対話していくっていうか、こういう風に当たるんじゃなくてこういう…
宇都宮:もう1つ超越的な第三者が存在してるんですよね。偉大な存在っていう。直接はぶつかり合いにくいように。問題はその宗教の中ではそうなんだけど、宗教同士がまた今度いがみ合って、もう1つハイレベルな高次な段階が必要になるのかなって。
長井:なるほど。面白い。
宇都宮:鎌倉はすごい、「宗教者会議」って宗教を超えてつながってる。
三木:宗教を超えてつながってるし、あれも1つの宗教同士のダイアローグをして。鎌倉がマインドフルなダイアローグな町にどんどんなっていけばいいかなと思って。それが他の町とまた対話していくみたいな、色んな世界中のスピリチュアルな町と対話していくみたいな。
宇都宮:ダイアローグカウンセラー。ダイアローグシティ。いすみのほうも。
長井:いすみで。
三木:いすみはどういう経緯で住み着いた?
長井:いすみは完全にご縁で、一緒にクラウドファンドプロジェクトをやってたメンバーがいすみで地域おこし協力隊をやってて、ちょうど僕が田舎に引っ越したいっていうことなので、じゃあご縁があるしそこにしようみたいな。
三木:いすみはどんな町なんですか?
長井:いすみはグリーンズの鈴木菜央さんとか、あと東京アーバンパーマカルチャーのソーヤ海さんだったりとか。
三木:そこはちょうどレイラインの上なんですよ。
長井:そっか。それが影響してるんですかね。地域おこしもそうだし、自然と共生しながら暮らす、生きるみたいなことを大事にした人がすごい集まってる町で、市自体も一次産業がすごく活性化しているし。
三木:いすみの神社がありますよね?そこがレイライン。
長井:そうなんですね。
●長井さんの考える「日本の○○の未来」に対する想いについて
三木:最後に長井さんにとっての○○の未来っていうので想いがあれば語っていただきたいんですけど。
長井:つながりの未来。
三木:つながりの未来。どういう想いが?
長井:さっき自分との対話みたいな話がありましたけど、自分と自分のつながりもそうだし、自分と他者とのつながりもそうだし、自分と自然とのつながりもそうだし、そこのつながりの質が豊かになっていくことが、1つ自分自身が貢献している方向性だなと感じています。そのつながりの質が疲弊してたり枯渇しているからこそ生まれる問題があると思いますし、そこのつながりの質が豊かになっていくからこそ生まれる健全さもあると思いますし、そこのつながりの質が豊かになっていくことはすごく重要だなと思っていて。ちょっと問いに答えてるか分かんないですけど、僕自身はそこに向かってるなっていうのはありますね。
三木:つながりの質を豊かにしていきたい?
長井:そうですね。
宇都宮:つながりっていうことは自分っていう存在と他者みたいな感じなんですか?そうすると自分自身の見え方が変わってくると、つながり方もたぶん変わってくる感じなんですか?
長井:どうなんだろうな。
宇都宮:認識の仕方がたぶん変わっていくっていうか…それとも選ぶ感じなんですか?
長井:取捨選択になるのか今あるものの中で質が深まっていくのかみたいなところですか?その質問でいくとどうなんだろうな。もうちょっと言葉を付け加えて話すと、僕自身は「対話とは?」って研究としてじゃなくて僕個人で聞かれたとしたら、起きていることに気づくための会話が対話だなって思っていて。それは自分自身に起きていることに気づくみたいなこともあるし、相手の内面で何が起きてるんだろうっていうことに気づくみたいなこともあるし、あとは場に今何が起きてるんだろうっていうようなことに気づくっていうのもあると思うんですけど、今というその瞬間に起きていることに気づくっていう力が育まれると、つながりの質が豊かになるなって感じたり、あとはしかるべきことが起こるっていう感覚があるんじゃないかなと思っているんですね。僕は対話っていうものはそういう風に捉えているからこそ今つながりの質が豊かになる方向に貢献している気がするっていう言い方をしてるんです。
宇都宮:気づくこと?
長井:究極的にはそう。今起こっていることに気づく力が育まれるっていうことが…
宇都宮:ヴィパッサナー瞑想。
長井:もそうだし、禅もそうだし、対話もそうだし、コーチングもそうだし。
三木:今起きていることに気づくこと。すごい今の地球に最も重要なことですね。
宇都宮:ただ気づきすぎると、ノイジーなところにいくとちょっと辛くなるからガードに入るじゃないですか。
三木:だから田舎に住むんですよ。
宇都宮:感度をちょっと落とさないと生きていけない世の中。距離を置く。とか、ちょっとガードするしかないっていう。
長井:そうですね。そこもたぶんその時のその人の状態における適切な行動があるんでしょうね。
宇都宮:自然豊かな鎌倉はいいですよね。
長井:開きやすいですからね。感性が。
三木:なのでzenschool鎌倉へぜひ。今日は豊かな対話をありがとうございました。
https://www.zenschool.jp/kamakura
長井:ありがとうございました。
対談動画
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